産業革新投資機構、「役員大量辞任」の衝撃
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注目のコメント
官民ファンドの存在意義の本質は、ここだと思います。
「民間ファンドだけではできないリスクテイク機能を果たすべく、民間とともに政府からも出資し、中長期のリスクマネー、すなわちエクイティー投資の出し手となることが期待」
今回のJICの発足から、あまり聞こえてこなかったメッセージ性です。
また、ファンド運用で全てに利益が上がるということは非現実的です。(だから、そもそも、ファンドはポートフォリオで運用してリスク分散します。)総計で、どれくらい儲かったかということが大事。
ということは、14の官民ファンドで6つが損失を抱えているということより、合わせた総額の損益の方が重要です。特に全てのファンドの出し手が同じ、国民から徴収した税金(あるいは、への借金)ですから。産業革新投資機構の役員報酬が発端だが、事は予算にまで波及。財政投融資の予算要求を、経済産業省が取り下げることを検討するという事態に至り、今般の辞任劇に発展。
独立行政法人ではなく株式会社としての官民ファンド、財政投融資が関わる官民ファンドのあり方という視点から言及しました。これしかない、という解決法です。事ここまでいたっては「破綻主義」を取らざるを得ません。全取締役が、混乱を最小限にしようと辞任を決意されたのだと受け止めています。
官民ファンドの意義については、渋澤さんや土井さんが投稿・指摘されている通りです。
そういう意味では、JICに対しては、やや「異形の官民ファンド」という印象が否めませんでした。官民「ファンド」というよりも、政府と、政府の政策目的に賛同して政府にほぼ白紙委任したマイノリティー民間株主からなる機構です。さきにも申し上げたように、ファンド、というよりも、政策投資管理機構、という視点が重要なのではないか、また、本件の問題提起で、この点が明確になったのではないか、ある意味、官民ファンドの頭の整理について「けがの功名」?になった様な気がしています。