【解説】日産、東芝、オリンパス…。揺れる「監査法人」の実情
NewsPicks編集部
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帝国データバンク情報部における監査法人研究の第一人者、阿部記者による寄稿記事です。われわれ倒産記者にとって監査法人の異動状況は、なかなか定性的な情報を入手しづらい上場会社の「異変」を察知するための重要なシグナル。上場会社の倒産自体はほとんど発生していませんが(2018年は日本海洋掘削の1社のみ)、変更の背景を取材していくと、さまざまなことが分かるものです。ある銀行でもかれこれ10年以上も前から、融資先の動向を見極める項目の一つとして、とくに重要視していると聞きます。「日産事変」においても今後のカギを握る主要プレイヤーのひとつといえます
帝国データバンクの記者による寄稿です。日産や東芝の件でいつも話題になるのが「監査法人は何をしていたのか」というものです。なぜ監査法人は不正会計を見落とすのか、あるいは「見逃す」のか。
その理由を、帝国データの調査で分析しました。知られざる監査法人の世界をさらっと理解できると思います。会計士の数が減少しているなか、会計業務が複雑化し、業務効率が低下しているという構造的な問題は小さくないと思います。
一方、監査対象である企業は監査法人にとっての顧客でもあり、企業にとって不都合なことを監査で指摘するということは、顧客を失うことにもつながりかねず、監査業務に内在する困難だと理解しています。
このような構造的・内在的な問題を本質的に解決しない限り、大きな流れとして、個々の監査法人が業務効率の更なる低下や顧客を失うリスクを忌避して、不正が懸念される事象を指摘することをためらうという隠れたディスインセンティブは残り続けるように感じます。