「1週間の徹夜は我慢しろ」「死ねクズ」 ブラック企業体験イベントで、どれだけ罵倒されても「この会社にいたい」と思った話
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HBS教授のロザベスモスカンターの研究では、
「まず強烈な自己否定や自己喪失をさせ、次にその失望感や喪失感を補う新しい価値観の提供を行ったとき、強靭なコミットメントが醸成される」
といった旨の結論が出ており、その後の研究においてもコメットメントという目的のために極めて合理性の高いやり方だと実証されているようです。
大なり小なり多くの組織で実際に活用されている手法だと思いますが、あとは程度問題の話なのでしょう。
また、本例はまさに「学習性無力感(Learned helplessness)」の世界でもあるということ。
過度なストレスが与えられ続ける環境において、「何をやっても無駄だ」という認知を徐々に形成させ、逃げる判断さえ鈍らせる。
そして、そんな状況に対して更に情緒不安定になるという悪循環。
更に、学習性無力感は伝染するとも言われているのが厄介なところ。
雰囲気作りの大切さを改めて感じる取り組みですね。
ひとつの方法としては、減点方式から加点方式への転換なのでしょう。前田文化の解体工事を、パフォーマンスとして見せた舞台でお馴染みの劇団子供鉅人。舞台上に留まらない、社会全体に景色を作るのが本当にうまくて興味深い。
"終演後、教育担当役としても出演していた益山代表は、「参加型演劇なので反抗されたらどうしようと思っていたけど『教育担当』『新入社員』の役割が与えられたことで、参加者がその役を果たそうとしているのが怖かった。参加者が従順になればなるほど、こちらの発言や行動が過激になった」と話していた。"
アイヒマンテストで解き明かされたのと同じく、
ブラック企業の存在も、各人がそれぞれの存在を役割に委ねてしまうことから始まるのかもしれない。
自身に不都合なコミュニティからは勇気を持って退出しなくてはならないが、まずその前に与えられた役割に思考停止してはいけないのかも。
そして自分のコンサルティングファーム時代を思い返してみると、「スーパーミラクルハッピー株式会社」に(プロジェクト次第だけど)正直似てるところも少なく無く、何度も心が折れかけた。
しかし、この会社と外資コンサルや投資銀行との違いは、給与やキャリア面も含め辞めようと思えば直ぐに辞められる、というか直ぐに辞めさせられる笑ところ。
最後の最後の砦は、やはりその場所を離れる事が出来るカードを持っていられるかが大きい。ブラック企業とは、そのカードを巧みに強奪することを予め計画されている企業を言う。怒声にまみれた中に居続けると、自己肯定感が低くなる。自分がダメだから仕方ない、とひたすらに仕事に打ち込むしかない。そして何より、先輩の要望に応えられたら、思いっきり褒めてくれるのだ。適切なアメとムチは、社畜を生み出すことがわかった。