思想教育の誤算か。中国共産党が危ぶむ、極左エリート学生の台頭
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中国人は金もうけに没頭しており、経済成長が続く限りは中国政府も安泰だ、というのは大方の外部の人々の理解であったろうし、中国国内でもそういう理解は多いでしょう(その経済成長もかなり怪しくなってきてはいますが)。しかし、それだけでは飽き足らない人々が出てくるのは、古今東西間違いのないことです。
政府が公式のイデオロギーを持ち、学校などで教えようとする、しかし大部分の人々が真に受けておらず、当の政府の人々すらろくに信じていない、という状況が続いてきました。ジャック・マー氏なども共産党員なわけですが、マルクスや毛沢東思想を全面的に支持しているとはちょっと考えにくく、そして、こういう人は全くめずらしくありません。この状況の帰結は、全ての人々が政治に無関心になる、ということではなく、新しい先鋭的な思想の台頭でしょう。
中国共産党も最初は大学教員と学生数十人の集まりに過ぎず、それから28年で天下を獲るに至ったのだから、侮るべきではありません。中国は歴史を通して確固とした「エリート」が存在してきた国であり、そのエリートが強大な影響力を時に発揮してきた、ということはこれからも変わりないでしょう。ここでいうエリートというのは、自分の金もうけしか考えない成金ではなく、社会全体のことが俯瞰できて、社会全体の問題に取り組もうとする意志を持っている人間です。
この新左派というのは、社会全体を何とかするにはいろいろ足りないものが多いように見受けられます。こういう運動が試行錯誤を繰り返すのも常のことです。中国共産党や、紅衛兵や、天安門事件のようにエリートの青年たちが数十年ごとに突然とんでもない変化を起こすのが中国です。中国に限らず若者のうっぷんは、吐き出し先を求めているように思います。それがマルクス主義の思想と合致し出てくる事もあれば、ISISイスラム国に向かわせることもある、と。若い時は経験も浅く多角的に見ることが難しいので、どういったコミュニティに属するか、が思想信条やアクションに大きな影響があると思います。
あと、若者が声を上げた時の国家の対応は各国で違いますし、中国は強権発動カードがあるので注視していきたいと思います。私達の武器は「目」かなと。昔、日本でも軍国少年がもっとも「天皇制絶対主義」の担い手であり、
「非国民」を糾弾することで、社会をダメにしたのに似ている。
中国共産党の「表面的」理念を純粋に信じる若者が、中国社会の成長メカニズムを破壊してしまうかもしれない。