【朝倉祐介×三菱重工CFO】ファイナンス思考は「寿司」で伝えた
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管理会計にPLを用いるのは多くの会社がやっていることでしょうが、事業ごとにBSの概念を導入することでCCCや資本コストを意識づけるというのは面白い試みですね。
人間の体を診断する時には「レントゲンで照らしてみたり、血液を採ったりする」と考えたうえで、BSだけでなく、事業規模や株式時価総額とのバランスで考えるようになったとのことですが、これは拙著『ファイナンス思考』でお伝えしようとしたエッセンスです。本書ではPLばかりに着目して意思決定する思考態度を批判的に論じていますが、これはあくまでPL「だけ」を見て意思決定をしていたら事の本質を見誤りますよ、ということ。他の財務諸表も合わせて複眼的に思考することの重要性を訴えたつもりですが、以後、事例として挙げさせていただこうと思います笑
1:1:1という比率が良いのか、事業規模、総資産、時価総額という切り口が適しているのかは、会社によって異なるのでしょうが、自分たちのあるべき姿を洞察し、自分たちの言葉で対外発信できる会社は強いと感じます。
「高級寿司か回転寿司か」という問いも面白いですね。
事業の長さや規模の大きさによって、社内に暗黙の序列意識ができるのはよくある話ですが、事業を並列に比較して虚心坦懐に各事業を位置付けるのは、KPIの重要な機能だと思います。
こうした序列意識というものは、案外、若いIT企業でも見られることですね。
大変勉強になりました。シニフィアン共同代表の朝倉祐介さんと三菱重工の小口正範CFOによる対談の後編です。小口CFOは、同社で伝統のある〝名門事業〟の人に対して、「高級寿司ではなく、100円の回転寿司を目指せ」という趣旨の発言をしたと言います。世界の事業環境を見てのアドバイスで、すごく的を得ていると思いました。
これからの改革については、明治維新の比喩も出しています。歴史を見れば、廃藩置県をしても、西南戦争があったと。そこまで考えながら、今の改革をしているようです。
対談の前編は、こちらです↓↓↓
https://newspicks.com/news/3475280朝倉さんと小口さんによって、ファイナンスの魅力が詰まった対話ができあがっています♪
ファイナンス戦略の目的は「企業価値の向上」なわけですが、「じゃ、どうすればいいの?」と分解していくと、
1)キャッシュフローを増やす
2)資本コストを下げる(→最適資本構成)
に分かれ、「じゃ、キャッシュフローを増やすにはどうしたらいいの?」となり、
1)利益を増やす
2)投資の生産性を上げる(→回転ずし屋さんの席を埋める、投資の経済性計算)
となり、「じゃ、利益を増やすにはどうしたらいいの?」に対しては
1)売値(単価)を上げる
2)数量を増やす
3)原価を下げる
4)固定費を下げる
と分解できるわけです。
CFOはこうして分解した結果を事業部門の責任者たちにパスしてあげて、事業戦略を練り上げていきます。
ファイナンスというと金融工学、無機質、クールととらえられがちですが、その実、小口さんが語られているとおり、上記のシンプルな仕組みのうえに積みあがったドロドロしたヒューマンドラマであり、それがファイナンスのセクシーなところだと思います。