ABB、日立などと電力設備事業の売却交渉
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注目のコメント
ついに来るか。
ABBは、発電は2000年前後の経営危機の時に売却し、今は送配電事業のみ。そして、Siemensは発電・送変電両方持っていて、GEもAlstomとの2015年のディールで送変電事業を合弁化した。
日本は、日立と三菱重工が火力発電をMHPSで統合したが、送変電のピースは抜けている。それがAlstomのディールがあった時に三菱重工などが動いた理由。
火力発電は電力機器大手の経営に、現在は影を落としている。ただ送変電はどんな電力であろうとも地産地消が完全に進まない限りは必要だし、むしろ自然エネルギーが増えるほど、系統負荷は増えると思う。
そのなかで、日立が買収するにとどまらず、MHPSや三菱重工の送変電事業なども含めて、整理統合が進むのが本来進むべき道だと思っている(①は2014年のAlstomディールが最初に出てきたときのコメントだが、その頃からコメントしている点)。
日立は、記事にもあるが日本については送電設備についてABBと合弁を作り、関係を深めてきた(②、③)。
にしても、これだけのの利益を出していても、売却検討するというのはスゴイ。
時価総額約4.8兆円でSiemens10.6兆円、GE8.1兆円よりは小さい(日立3.2兆円、三菱電機3.1兆円)。ただPBR2.8倍でSiemens1.9倍、GE1.1倍、日立1.0倍、三菱電機1.4倍と比較するとかなり高い。資本に基づくポートフォリオ管理が高く評価されている。
①https://newspicks.com/news/409807
②https://newspicks.com/news/746251
③https://newspicks.com/news/744574日立とABBはHVDCで合弁会社を立ち上げていたので、真っ先に声かけるでしょうね。
(参考)日立評論 送配電分野における監視制御の取り組み
http://www.hitachihyoron.com/jp/archive/2010s/2017/02/02a04/index.html
グリッドへの投資は、日本よりも欧州や米国の方が進んでいますから、ABBが手放すということは洋上風力や海底ケーブルのHVDCや、ドイツ南北を貫くSued Link(ズュード・リンク)高圧送電線の需要が一巡して、グリッドから蓄電投資へシフトしつつあるのかもしれませんね。
広域電力流通のメリットも、需給を一致させるにはあるでしょうが、ヨーロッパのように都市と郊外を比較的結びつけやすい立地が限られており、他国に横展開するのが難しいのかもしれません。
豪州や島嶼地域ではマイクログリッドで系統連系させてたりするので、送電線を効率的に結ぶだけでなく、双方向でグリッド単位の需給一致といった手間のかかるマネジメントシステムが必要になってくるので、ソフトウエアの方が重要になってきます。GEもそうですが、利益率低い➡︎売却➡︎企業規模減少、という連鎖を繰り返す事になるのではないかと思うのだが、売った事業分の売り上げを確保する新事業はあるのだろうか。
GEはドンドン小さくなってます。
事業規模なんて関係ないっすよー!って事なら、だれかその理由を教えてください。