“トラクターのナビアプリ”で農家を支える農業情報設計が2億円を調達、自動操舵システムも開発中
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TechCrunch Japanで今回の資金調達を取り上げていただきました。ありがとうございます。
昨今下町ロケットでも話題?のトラクターのロボット化・自動走行や情報化に関する研究は1980年代の半ば、まだGPSが全く使い物にならなかった頃から先達により綿々と続けられてきました。このアプリもその中で生まれた技術。15年程前から当方が農林水産省の研究者として取り組んでいたPC用ソフトウエア(当時は農用車両ナビゲータという名前がついておりました)が元になっております。
この農用車両ナビゲータ、実は10年ほど前に一度は市販していただいたものの、ノートPC(Panasonicのタフブック)と汎用GPSの組み合わせが海外のライバルと比較して大幅に高額になってしまったこと、また自動操舵に至る拡張性がなかったこともあり一台も売れませんでした(涙)。
取り扱っていただいた会社の方からは「海外勢には太刀打ちできないのでこれ以上お付き合いできません」と三行半を突き付けられ、研究所内でも「いつまで売れない技術に取り組んでいるのか」と向かい風だったわけですが、それでもただ単に農作業が楽になるだけではなく、畑・田んぼ・作物に一番近い先端技術であることから、得られたデータを利活用することでビジネスの可能性が大きく広がること、それ以上にどうしても自分が作ったものを農業者のみなさんに使ってもらいたいという一念でプレッシャーやら何やらを受け流しつつ、4年前に起業してここまでやってきた、ということで長い期間を経てここまでやってまいりました。
幸いなことに外で使っても画面がそれなりに見やすくて気軽に持ち運べるタブレットやスマホが登場し、アプリがインターネットを通して世界中に簡単に配信される環境になったことで状況が劇的に変わり、安価で手軽に手に入る先端技術として世界の農業者の方々にお使いいただけるまでになりました。
今後さらに多くの農業者の皆様に私たちの技術をお使いいただき、より良い農業にチャレンジする農業者のみなさんを支えることができるよう、またご支援頂戴した皆様に成長でお返しできるように尽力いたします。トラクター版のカーナビアプリ(運転支援アプリ)を展開している農業情報設計社が2億円を調達。現在提供しているアプリは世界140ヶ国でDLがあり、累計のDL数は10万件を突破。ちなみに1位がブラジル、2位がスペインとのこと。
今後はアプリに対応した直進・自動操舵装置を提供していく予定とのことで、より農業の効率化が進みそうですね。ちなみに代表の方は農研機構などで農業機械の研究をされていた方で、本社は北海道帯広市。なかなか珍しいスタートアップかもしれません。