「機械翻訳があるからもう英語話せなくても大丈夫」は本当なのか?
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先日知り合いの弁護士先生が起業して契約書などをAIでチェックするプロダクトを作るスタートアップを始めました。自分たちの仕事の中でAIが代替するところを理解して先手を打つ戦略はさすがです。その契約書チェックをするAIの教師データをインプット出来るのは他の誰でもない弁護士先生たちなので。これこそが弊社がAI開発するときに理想とする人間とAIの共同作業により生み出せる相乗効果でもあります。
機械翻訳があるから便利になる現場とそうでない現場がありますよね。例えばみんなでホワイトボードでブレストしてる中一人だけ翻訳アプリ使うのは想像しにくい。上流工程であればるほど創造性や合成能力が必要でそこでは機械は難しい。でも最終工程に近い契約書チェックなどは差分を検知したりする作業なので機械が得意なところですね。
最近の私の興味は、翻訳と言っても元の単語を直訳しただけの言語が日本で使われている為に本来の意味が伝わらずに表面的なところが一人歩きしてしまうケースをどう考えるかです。例えば先日弟(アメリカの大学院でパブリックヘルスを学んでいる)が、パブリックヘルス=公衆衛生ってただの直訳で本当の意味が全く伝わらないと指摘していて、ああそれは「人工知能」って直訳も同じだなと思いました。こういう所は機械では直せない!翻訳の仕事をしている立場からがちで言わせてもらうと、言葉の介在が少ない分野では、まあ機械翻訳で十分。だけど、言葉でしか伝わらない分野では、機械翻訳で足りるには、少なくとも10年はかかるでしょう。
どっちにしろ、仕事はツールで乗り切れても、雑談とか始まったら自分で何とかしなければなりません。そしてコミュニケーションが育つのは、雑談だったりするよね。単純に「聞こえてきた外国語(発音)をそのまま日本語に翻訳する」というだけの翻訳ツールでは、会話にならないこともあるでしょうね。
会話は「生モノ」であり「キャッチボール」なので、同じ言葉、同じ発音でもその時々の状況によっては込められている意味が異なってくるので。
逆を言えば、相手との関係性、その場の状況、相手の表情、声の大きさ、人柄、相手の国の文化、スラング、皮肉、その他様々な情報から発言の意図を正確に汲み取る能力が伴った翻訳ツールがあれば、翻訳ツール頼みでいけそうな気がします。
実現するにはかなり難易度高いでしょうが。