【独占】ライザップ瀬戸・松本が語る「赤字転落と不仲説」の真相
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注目のコメント
【他山の石】
本事案について2つコメントしたいと思います。
①まず、ライザップの本業が属する健康・トレーニング産業は、
むしろこれからが楽しみな有望領域であり、ライザップの決算を見て脊髄反射的に「ジムは斜陽産業」と思い込む愚に陥るべきではない、ということ。
②もう一つは、企業再生は可能であるし、業績不振企業を買収して、負ののれん代を収益計上して足元を補強しながら、当該企業を立て直して企業グループとしての中長期の成長のバネに使うこと自体は、決して筋の悪い戦略ではないということ。
ただし、買収した企業を再生させることが出来なければ、②は絵に描いた餅になる、ということを理解する必要がある。
***「再建は現場の力でやる」(瀬戸氏)という基本方針でやってきたが、赤字企業を短期間に再生させるには困難が伴った。***
これでは雑すぎて、戦略とは言えない。分かりやすく言えば、話にならない。
たしかに、業績不振企業を再生するには、資金繰りを改善するだけで上手くいくケースも実は少なくない。また、販売のチャネルを改善したり、設備投資を行うことで上手くいくケースもある。
ただし、個別企業を、しっかり見て、不振の要因を瞬時に見極める能力と、打つべき手を「いくつも躊躇なく」打ちだす瞬発力と決然たる意志を持っていなければ、その判断もできないし、必要なアクションもとれない。
つまり、企業再生は、常にトップダウンであるべきで、「現場の力」などというあいまいなもので、再生できた企業など聞いたことがない。
まず財務を立て直し、戦略を再構築し、必要な資源を投下することは、現場の仕事ではない。買収した企業のトップの仕事以外のなにものでもない。軌道に乗ったら現場に任せたら良いのはもちろんだが、それはあくまで、再生後のはなし。
それは無数の不良債権に投資をし、企業再生を行ってきた経験者としての確信といってもよい。
そこが抜けていたライザップは、買収して負ののれん代を計上し、それでも利益が上がるので、本業が儲かったと勘違いした投資家が株を買いに走り、なんとなく上手くいっていたと勘違いしていた節がある。「買った企業は再生しなければならない」という当たり前のことにきちんと向き合い、結果を出すのは当たり前のこと。
今回の事例は、成長企業の経営者には非常に参考になる「他山の石」と受け止めるべき。泉記者と取材しました。RIZAPが企業買収を当面凍結します。その決定のうしろにいたのは、6月にRIZAPにジョインした元カルビーCEOの松本取締役でした。
松本取締役の行動力には驚きました。RIZAP入社から半年あまりで、グループの子会社に十数社回ったうえ、瀬戸社長の両親にも会われていました。そのうえで、これからは、瀬戸社長にとって「うるさいお父さんになる」と、この取材で宣言しました。経営の人間力を垣間見ました。
【力作動画あります】NewsPicksの動画チームに、この記事の予告動画も作ってもらいました。こちらも合わせてご笑覧くださいませ→https://twitter.com/newspicksNewsPicksでは、松本さんのカルビー退任、そしてライザップCOO就任という華やかなタイミングで取材をしています。だからこそ、ライザップが危機に陥っている今、記事を出すべきだと考えています。
昨日の赤字決算と経営陣の対立報道を受けて、ライザップの瀬戸社長、松本取締役に緊急インタビューをしました。
今回、ライザップは松本さんの助言によって、積極的な買収を一時的に停止することになります。個人的には、その判断は正しく、今のタイミングで松本さんがいてライザップは助かったのでは、と思います。
ただ、その一方で、これから経営陣の中で松本さんの存在感が高まり、誰も口出しできなくなるリスクもあるのではないかと思いました。
松本さんは尊敬する経営者の一人ですが、必要以上に力が高まりすぎないよう、バランスをとることがライザップ経営陣の課題なのかもしれません。