アマゾンとウォルマートが狙う「13億人市場インド」勝負の行方 #1
コメント
注目のコメント
まずタイトルの ― アマゾンとウォルマートが狙う「13億人市場インド」 ―
ですが、13億人は対象市場、いわゆるTAMではないのです。
ずっと少ない、おそらくMAXで3億人いないと思います。
これがそもそもの誤解。
弊著のニューズウィーク寄稿 https://newspicks.com/news/3127568 においても論じましたが、いま世界全体で、なかでも特にアジア新興国におけるフロンティアは第一に地方、第二にネットの外です。
今のところアマゾンはそこに半歩遅れをとっています。アリババは着々と日本のセブンイレブンのような、地方のパパママショップ(インドではキラナという)をITによりインテリジェント化し商品MDを提供する事業を推進しています。先進国ネイチャーのアマゾンがその点アリババに勝てるかどうか。
アマゾン、ウォルマートが5年後10年後にインドで「勝った」という状態になっているには、その点が最も重要な論点だろうと思います。
その他は消耗戦、ファイナンス能力の問題です。インドでのアマゾン戦略が描かれています。アマゾンの目標は「インド人の売買の仕方を変えること」。生活習慣を変えることがミッションです。売上や利益はそのあとついてくる。
ベゾスCEOはインドチームに「荒っぽくて素早くて、少し無礼なカウボーイのように考えろ。コンピュータサイエンティストのようには考えるな」といったそうです。つまりスピードを重視しろと。形容の仕方が具体的。
アマゾンは従業員を各地に派遣し、インド全土のマーチャントにネット売買の仕方を手取り足取り教えているそうです。こういうきめ細かさがアマゾンらしい。「今世紀はインドの時代」と言われながらも言語・宗教・カルチャー諸々の面でハードルがありグローバル企業の進出状況がいまいち見えづらい状況。
とは言え中長期トレンドで見たら"上りのエスカレーター"であることは火を見るよりも明らか。アマゾンはガッツリと張っている。
この確信を持って腰を据えている展開は最近のソフトバンク・ビジョン・ファンドにも似たものを感じます。つまり、圧倒的な資金力を元に筆頭株主として成長市場に張り続ければほぼ勝てるという目算。盤石です。