ソフトバンクも巨額投資。「不動産テック」が注目される理由
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WeWorkや、この記事で触れられているOpendoorなどの「不動産テック」、実はつい最近までなぜSBなどがこぞって投資に走っているのか、お恥ずかしながらてんで分かっていなかったのだが、ある視点をもとにすれば少なくとも自分のなかでは合点がいくようになった。
有り体に言えば、やばり鍵となるのは「データ」。オンラインの情報空間は、ここ20年で膨大な規模に拡大したが、一方で大量のノイズも生み出すことになり、オンライン情報そのものに対する信頼感が相対的に下がってきているとも言える。そんななか、オフラインの人と人がリアルな場所でやり取りする情報、そしてオンラインには載ってこない「生」の世界に根ざした情報は、どうにしかしてそれを得る仕組みが必要になる。そして、そのオフライン情報へのアクセスに希少性があればあるほど、ビジネス価値も高くなる。
割高な入居料を払ってまで、なぜスタートアップならず大企業までWeWorkに入りたがるのか、そしてその場を提供するWeWork自身の競争力とはなんなのかと考えると、それは僕のようなオンラインずぶずぶの人間にはなかなか理解できなかったオフラインデータの価値が見えてくる。Post-internet時代のデータクローラーといえば良いのかも知れない。WeWorkの場で行われる会話やネットワーク環境内でやり取りされているトランザクション情報は、外のパプリックウェブには決して流れてこない情報。しかも、そこに参加する人々がもともと持つ情報の希少性が相俟って、その情報価値はますます上がり、その場の情報吸引力はますます上がる・・・。
少し抽象的になってしまうが、このあたりが「不動産テック」の肝なのかなと個人的には思っている。不動産テックでかつてからあった、不動産ポータルのZillowなどは「買い手が検索して検討する」サービス。ここは日本にも大きなプレイヤーがいます。
一方で今回ビジョンファンドから出資されたOpendoorは「売り手が登録した案件を査定し、最短で買い取って転売する」モデルで注目されてます。その領域に今年からZillowなども参入してきているため、Opendoorは資金調達をして加速させています。日本でもカウルなどがこのあたりを担っていこうとしているようです。規制に守られている不動産業界ではありますが、テクノロジーの浸透は徐々に業界の構造を変えつつあります。
単純な仲介機能のみしか提供できないエージェントは徐々に厳しくなり、高度なアドバイスを顧客に提供できるエージェントが生き残っていくという流れは、もはや後戻りできないようです。