ボーイング737MAXに緊急改善通報、米当局が墜落事故受け
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先日回収されたフライトデータレコーダーからの解析が進む過程で、機体の迎え角(AOA)を示す計器の値に異常があった模様です。迎え角というのは、Katoさんのおっしゃる通り機体の気流に対する姿勢を見るためのもので、上昇や降下の際に最適となる角度を得たり、昇降舵による姿勢制御がうまくいっているかをモニターするために使うものです。
737MAXは、このセンサーの情報を用いて、昇降舵の取り付け角の調整(スタビライザー・トリム)を自動で行うようになっていたために、一つのAOAセンサーの異常値をもって、スタビライザー・トリムが異常な角度に設定されたため、放っておくと機体が急降下するような状況となっていた模様です。
さらに、このAOAセンサーの異常により速度計や高度計の異常を示す計器表示がされることがあるとボーイングが公表しており、おそらくJT610便は状況の悪化に対処しきれず最悪の結果になってしまったものと推測されます。ボイスレコーダーが回収されればそのあたりはもっとはっきりします。
前日のフライトでもAOAセンサーの異常により機体の急降下があったと報じられていて、センサー自体の異常のほか、こちらもKatoさんのおっしゃる通りコンピュータのソフトウェア上の異常がなかったかも調査されることになりそうです。
以上のことから米国FAAがAD(耐空性改善命令)を発行し、737MAX8およびMAX9という機種に対し、マニュアルに定められているスタビライザー・トリムの暴走時の項目について、状況や対応手段をより詳細なものに書き改めたバージョンに差し替えるよう指示しました。
ちなみにスタビライザー・トリムの暴走は、以下の動画のように737の場合はまさに手で押さえて止め、その後スイッチを切って対応します。
https://www.youtube.com/watch?v=cQirIH_DuAs
737MAXは新機種で、国内の航空会社ではまだ就航しているところはありませんが、今後導入されるであろう機体です。事故調査の進展に期待します。先日のインドネシア・ライオンエアーの墜落事故(①)を受けてのFAAの通知。
英語だが、下記Bloomberg記事(②)に詳しい。AOAセンサー(Angle of Attackの略の模様、後述)からの誤った情報を元に、失速(ストール)を避けるために下降姿勢をとったことが、墜落に至った可能性を指摘している。なお、このセンサーは前日に取り換えられたものだった。
AOAセンサーは翼上の空気の流れを計測して、失速を避けることが目的のセンサー。メーカーはUnited Techで、それがHoneywellの制御コンピューターに入力されているとのこと。
センサーを交換してもエラーがあったという点で、センサーの接続部分が要因に見える(であれば、形状の問題なのか、メンテナンスの問題なのか)。あとかなりの高度で起こったことだっと見られ、センサーからのエラーがあったとしても制御プログラムとして正しかったのかあたりが論点となりそう。制御プログラムとパイロットの操作・意図が食い違って事故になったとすれば、昔の名古屋での中華航空墜落事故を思い出す。あとMD11でも上空で乱高下したケースがいくつかあった。制御含めた設計思想の問題になれば、大規模リコールもあるかもしれない。
なお、計器に問題があった可能性は、先にBBCが報道していた(③)。
①https://newspicks.com/news/3418655
②https://bloom.bg/2PJMkes
③https://newspicks.com/news/3422527日本の主要なエアラインに聞いたところ、この機体を購入しているところは、ありませんでした。
インドネシアでは連日、ライオンエアのニュースが続いているようです。
今回の墜落事故は、欧州連合(EU)が6月にインドネシアの航空会社のEU域内への乗り入れ禁止を11年ぶりに解除し、国内航空会社の安全が再評価された矢先の事故でした。
島国で経済発展中のインドネシアでは、空はとても混雑しているようです。
https://www.jakartashimbun.com/free/detail/44722.html