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総裁退任後、白川氏はジャーナリストの国谷裕子氏の著書『キャスターの仕事』を読まれ、その中で引用されている、映画監督の是枝裕和氏の次の言葉を知ったそう。

「わかりにくいことを、わかりやすくするのではなく、わかりやすいと思われていることの背景に潜むわかりにくさを描くことの先に知は芽生える」

非伝統的な金融政策という「処方箋」はあまりにも複雑でテクニカルであり、かつ効果も定かではありません。そんな“新薬”をわかりやすく患者に対して説明し、「効果がありますよ」と言って処方しろ、と批判されていたのが白川体制下の日銀でした。

中央銀行はコミュニケーションにあたって、どの程度わかりやすさを優先すべきなのか。そのことに腐心していた頃を思い出しながら、白川前総裁が退任後、是枝監督の言葉に深く共感したというのが印象的でした。
黒田総裁の大規模金融緩和は、たしかに期待したほどの効果を挙げませんでした。しかし、下落を続けた消費者物価を上昇に転じさせたという点で、大きなパラダイムシフトを起こしたことも事実です。その結果、財政再建にも大きな影響を及ぼす名目成長率も確実に高まりました。副作用やリスクを恐れて行動を起こさなかったら、ここまでの成果は得られなかったと思います。
何事も実験がなければ、新たなものは産み出せないという見方もあります。
尚、新しい金融政策を否定する人は「実験場」といいますが、肯定する人は「イノベーション」といいます。
『「日本経済が直面する問題の答えは、金融政策にはない」ということは、明らかだと思います。また、「物価が上がらないことが、低成長の原因」と言われますが、それも違うと私は思います。
実質的には、非伝統的な金融政策が実体経済に与えた効果は、かなり限定的でした。少なくとも、喧伝されたほどの効果はなかったと思います。』とありますね・・・
極めて大雑把にいうなら、経済を成長させる手段は財政政策、金融政策、構造改革(成長戦略)の3つです。そのうち、財政政策と金融政策は、何かの原因で一時的な需要不足が生じて経済が停滞し、労働人口、資本設備、技術が十分に使われない状況が生まれた時、政府と日銀が需要を生み出して企業活動を活発させることで景気を回復させる手段です。言い換えると、労働人口、資本設備、技術が一定の中で、需要サイドに働きかけるに過ぎず、経済の本質的な成長力を高める手段ではありません。
一方、構造改革は、労働人口、資本設備、技術を我が国の中で成長させる手段です。当然時間がかかりますし、今の構造にメリットを持つ人々や組織の反発を招きます。
需要不足が解消し超過需要が生じているとさえ言われる我が国でインフレ率が高まらず、経済も十分成長しないと感じる向きが多きとしたら、その原因は何なのか (・・?
日本の停滞の原因は、労働人口、資本設備、技術が揃って急激に伸びた戦後の高度成長期が過ぎ去り、労働人口は少子高齢化で低下気味になり、資本設備も高齢化による貯蓄率の減少とその貯蓄が回る先が民間企業の設備投資から政府の借金に変化して停滞し、そして技術も世界のトップレベルに達して自らブレークスルーしなければならないのにいろんな規制が邪魔をする、といった構図から来ているような気がします。そうだとしたら、非伝統的金融緩和が実体経済に与える効果は限定的でしかあり得ません。
常に選挙民を意識せざるを得ない民主主義国の政府は、常に財政政策でお金を使いたい誘惑に駆られます。量的金融緩和は、やり過ぎるとそれを助ける財政政策と同じになるわけで、『したがって、民主主義社会の中央銀行としては、コストと副作用についても誠実に説明し、点検しながらやっていくことが重要』というのも、むべなるかな。
それぞれの立場はどうあれ、真摯に拝聴するに値するお話しだと感じます。
"実質的には、非伝統的な金融政策が実体経済に与えた効果は、かなり限定的でした。少なくとも、喧伝されたほどの効果はなかったと思います。"
バッサリ行きましたね。私もそうだと思います、と言いたいところですが、一つだけ違うのは、実際に株が上がり景気が良くなったのは事実です。金融政策の結果だとは私も思いませんが、異次元とかバズーカとか、口先介入の効果は絶大でした。黒田総裁と安倍総理のタッグによって成し遂げられたのは事実。反作用が怖いですけどね。
在任時代から感じていましたが、白川前総裁はとても真摯な人柄でこれぞセントラルバンカーという印象ですね。「白と黒」ではありませんが、それほど黒田総裁との違いが際立ちます。
どちらも歴史が評価を下します。あと10年は最低必要でしょう。
この記事にある2010年10月の「包括緩和」を実施した際には、まさに金融政策を企画する部署にいましたので、下っ端でしたが、白川さんとの距離が近く、国会に随行するなどの経験をしました。
今回のインタビューでは話題にならなかったかもしれませんが、白川さんは、金融政策以外の中央銀行の機能の重要性についても常に強調されていました。

金融政策の効果を検証するには時間がかかります。マエストロといわれたグリーンスパン元FRB議長は、今ではバブルの張本人のように扱われていますので、今後どのようなに評価が変わるのか、変わらないのか。日本経済にとっては、安倍首相・黒田総裁の政策が、長期的にも成長に寄与したと、数十年後も評価され続けるとのよいのですが。
中央銀行や、その総裁としての難しさが滲み出ていると思う。

池田記者がコメントで書かれている是枝監督のコメントが、まずは響く。
世の中、これだけ多くの人が絡んでいるのだから、本来的に複雑なもの。ただそのままだと複雑だから、シンプルに表現をしたり理解をすることで、実行可能になっていく(これを力技でやるのがコンピュータだし、はるかに少ないエネルギーでやれるのが人間の脳みその特徴)。
一方で、本来的に複雑なものを処理可能にするために単純化しているということは常に忘れてはいけないと思う。そして、そこの難しさにリアルもある。
ただ、経済が回るのは、期待の部分が大きい。だからこそ、中銀のコミュニケーション、メッセージがどう伝わるかがとても重要。その点において、黒田日銀の評価は高いと思うし、それが効果として出てきている側面があると思う。
そして、実務家としてのコミュニケーションと、支持を得るコミュニケーションの間にいたことが、政治家や選挙に関する言及に至ったのかなぁと思った。それは、日銀の独立性の重要性も伝えたかったのではないかと思う。

『金融政策は、本質的に「時間を買う政策」』というのも、そう思う。
ただ、人間は時間があるのとないので、将来の行動も変わってくる。明日死ぬ、1年後に死ぬ、いつ死ぬか分からないでは、人間それぞれ行動が違う。
行動が違ってくると未来が変わってくる。だから、時間を買って、買うことによって初めて実現化する未来もあると思っている。その点に関して、白川総裁以前のバブル前~2000年代半ばの日銀政策については、日銀だけではどうにもできない部分もあったとは思うが、色々できたはずのことがあったと思う(白川総裁時代については、昨日もコメントしたが、米国という大国が緩和していたことが一番大きい要因だと自分は考えている)。
白川さんは「紳士」然とされていてクールだなぁと感じます。

過大先進国なだけに、日本が実験場になるのは、金融政策だけではなくて、財政、社会保障などすべての社会的課題についていえますよね。
2010年10月の包括緩和後も為替・株式市場への影響がなかったというのが私の認識です。ただこれは日本経済のマクロ問題や企業の経営努力の問題であって、金融政策には限界があると言ってしまって片付けられるのかはよくわかりません。特に為替についてはできることがあったのではないかと思います。また、債券保有者として財政の持続可能性についてよりアクティブに動くことができなかったのかとも思います。800ページ、読むしかなさそうですね。
個人的に楽しみにしている、NPの黒バック×影と赤テロップのNetflix的ビジュアルシリーズ。(まさに今回のような沈黙破る系でしばし登場)
白川前総裁の影がついに、半分を占めた!
その、中身に注目。
この連載について
今、知りたい注目のニュースの真相から全体像まで、やさしく徹底解説。プロピッカーや有識者による対談、オピニオン寄稿、直撃インタビューなどでお届けする、NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。