孫正義は出席するか。サウジ疑惑で血塗られる「砂漠のダボス会議」
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この「砂漠のダボス会議」は開催されない可能性が高まりつつあります。米英仏独、IMFや世界銀行からの主な参加者はほぼボイコットを決定しており、開催してもサウディアラビア側の面目が潰れるだけでしょう。
それ以上に、ムハンマド王太子は生き延びられるかどうかの瀬戸際にあり、こんなことにかまけている場合ではないでしょう。長老格の王族たちは、サルマーン国王の後継順位変更についてしきりに協議しています。新たな後継候補として最有力であるハーリド・ビン・サルマーン駐米国サウディアラビア大使(ムハンマド王太子の弟)は突如サウディアラビアに帰国しました。ハーリド氏への交代程度で事態が落ち着くのかどうかもまだわかりません。ソフトバンクはサウジ側から”中止”の声が上がるのをじっと待っていることでしょう。
米国財務省が参加を取りやめた今、様子見をしていた各企業も大手を振って欠席表明ができる中、これまでの親密さ(と周囲から見られていた)がソフトバンクにとって今はやっかいな関係になってしまっています。
ここで本当に孫氏が皇太子と個人的人間関係を築けているのであれば、直接中止や延期を助言することが出来るはずですが、そこまでの関係になっているとは到底思えません。
一方で皇太子の兄弟の名が皇太子あるいは副皇太子候補として取り沙汰されています。
トライアンドエラーの精神で、N0.2がいきなり交代することは湾岸では珍しくありません。もちろん、退いた側にはそれなりの名誉職を用意してメンツが潰れないような配慮は行われますが、さすがにここまで騒ぎが大きくなっては、そういった手法も難しいでしょう。周囲でも欠席を決めた人がいますが、理由はそもそも会社から渡航許可が下りないからとのこと。地政学的なリスクを鑑みて所属組織全体として渡航を見合わせる、そう答弁すればなんら当たり前の事だろうと思います。
そもそも、スピーカーがキャンセル大半でしょうから会として成立するのか、したとしてクオリティ的に参加するに値するかを考えて一般参加者なら答えは半ば決まっているでしょう。
しかし唯一例外はこの方。どちらを取るにせよ、それ自体がメッセージとなるゆえ、対応に苦慮するところです。
事の本質としては、本件発生前からサウジが民主国家でなく法治国家かどうかすら怪しい事は知ったうえで、その金を取りに行ったのですから、その時点でマネーの性質は決まっていたわけで、その意味で本件ははっきり言って世論への対応という事になるわけですが、それと10兆円ファンドの2号レイズや太陽光共同事業など深くて大きな同国王室との関係性との天秤というのが正しい見立てだろうと思います。