サウジ、「事故死」で幕引きか 記者不明、殺害証拠発見報道も
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サウジはトカゲのしっぽ切りで収め、なんとか乗り切るつもりでしょう。カショギ氏はアルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンにインタビューしたこともある国際的敏腕記者です。サウジは彼の知名度を見誤った面もあったと思います。毎日新聞は昨年5月、カショギ氏に取材を申し込みましたが「外国メディアとの接触を禁じられている」と断られました。
この事件がここまで大ごとになったのは、アメリカには人権侵害を行った外国の当局者への制裁を定めたマグニツキー法があるからです。
この法律はロシアの反体制は弁護士セルゲイ・マグニツキーが、ロシア当局によって殺害されたことから制定されたものですが、本心ではサウジへの制裁をしたくないトランプ政権が、しかし表向きサウジを非難せざるを得ないのは、この法律の発動を求める声が米国内で高まっているからです。
そして、そこまでサウジとトランプ政権を追い込んだのは、間違いなくトルコの外交的勝利だと言えます。
トルコはこの事件を大々的に国際社会に訴え、アメリカをも巻き込むことに成功したことで、サウジとアメリカの蜜月にくさびを打ち込み、更に真相を握る当事国として、事件の「落とし所」を決める主導権を得ました。
エルドアン政権としては、何らかの落とし所を認める代わりに、このカードを最大限に利用して、サウジを叩き、返す刀でトランプ政府が続けてきたアメリカの制裁を緩和させることでしょう。
それにしてもジャーナリストへの弾圧はエルドアン政権自身もしてきたことですが、まさかそれが強力な援軍になるとは、皮肉なものです。事故死での幕引きは簡単ではない。それが可能な場合は、死体があることだ。しかも、綺麗な死体が必要だろう。そういうものがあれば、事故死でうやむやにできる。しかし、仮に殺害されて、バラバラにされて処理されてしまっていたら、死体がない。事故死なのに死体がないは、辻褄が合わなくなる。偽の死体を用意するだろうか。それよりも、サウジアラビアの現政権を転覆させるための陰謀として、一部の政敵がこのような問題を起こした等の幕引きが取られるのではないだろうか。