古着をポリエステルに再生、技術が強みのベンチャーが世界へ挑む
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こうしたピッチコンテストは初めて観ましたが、皆全くの初期ステージにいる訳ではないし、主催ファンド側も虎の子であれば露出はさせたくない訳で、資金調達の為では無く両者の宣伝の為なのだな、と得心した次第です。
合間にちょこちょこ挟まれるダンス・アトラクションとか、本場アメリカの演出もきっとこんな感じなんだなー、と変な感心もしました。
注目のコメント
イケてるベンチャーっぽくない名前だけど、実態はめちゃくちゃイケてるベンチャー選手権があったとしたら、恐らく、そこでも優勝すると思われる、日本環境設計。
コメント欄で盛り上がるデロリアンだけでなく、無印良品などで、蜂さんの絵が描かれた回収ボックスを見かけたことがある方、多いのでは。
日本環境設計が強みとしている、「色々混ざってても、服を元の原料に戻せます」は、何をしているのか。
ザックリはここに書かれている。
http://www.jeplan.co.jp/ja/technology/polyester_recycle/
ポリエステルの代表であるPETは、テレフタル酸と、エチレングリコールがエステル結合でつながっている共重合体(一緒になって連鎖を作っている)。
このエステル結合を切ってやることで、原料に戻すことができます。
切るには、エチレングリコールと(おそらくなにかの触媒も)混ぜて、グツグツ煮る。
エステル結合は、それなりに弱い結合なので、こうしたリサイクルが可能ですね。
ポリエチレンとかは、こういうリサイクルの仕方は、難しいです。
会社のPCが手元にあれば、特許も調べられるけど…
とりあえず、食品安全委員会のこちらの資料が詳しい。(詳しいことは詳しいが、見にくい。そして、日本環境設計の方法と厳密に一緒なのかは、すみません、知りません。)
http://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc_saiseipet160610-betten.pdfこの日本環境設計という会社はすごい会社で注目しています。
再生可能"エネルギー"には割と関心が集まっていますが、再生可能"マテリアル"に注力している会社は希少で、同社は衣料でも何でもいったん元素レベルまで戻してリサイクルする技術で特許を保有している会社ですね。そんな技術的な優位性を持ちながら、消費者・メーカー・回収業者・小売とステークホルダーを巻き込むネットワーキングにも長けていて、マクドナルドや無印などとの協働プロジェクトで"みんな参加型のリサイクル"活動を仕掛けていってます。本気で"持続可能な循環型社会"を作りにいこうとしている会社で、こういうスタートアップ(と言っても10年経過してますが)が世界に打って出る、というのは素晴らしいと思います。頑張って世界に強烈なインパクトを残してきて欲しいですね。
あの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に、博士ドックがゴミをぽいぽい入れてデロリアンの燃料にして急いでタイムスリップするシーンがありますが、「未来型のリサイクル社会を象徴した名場面」と結び付けて「事業活動のブランディングの広告塔」にしていく取り組みも見事です。以下参照。
https://www.youtube.com/watch?v=UDW9mVHdUq4再生PETはあんなに不純物だらけの原料からどうやってPET成分を回収しているのか謎でしたが、今回勉強するいい機会でした。takaoさん資料ありがとうございます。色々合点がいきました。モノマーレベルまで分解できるなら比較的容易に分離できそうで、ここが一番スッキリしました。また、
加熱分解してモノマー単離→精製
と工程も少なそうなので事業として採算が合うのも納得です。
再生PETは現時点でも色々と使用されています。
再生PET樹脂の用途 (PETボトルリサイクル推進協議会)
http://www.petbottle-rec.gr.jp/data/use.html
車の天井材(あのモフモフしたやつ)も再生PET製のものがあります。もとがPETボトルや衣服だと思うと不思議な感じですね。