韓国「フェイクニュース」との戦い、問われる言論の自由
NewsPicks編集部
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「フェイクニュースとの戦い」は、世界中で政治の重要な関心事項となっています。ただ、ひと口に「フェイクニュース」といっても、各国によって文脈が異なり、ヨーロッパの場合は、ロシア政府が選挙を操作するために流している偽情報をいかに阻止するか、が最重要の課題だったりします。中東や東南アジアの国々だと政府に批判的な主張を取り締まるために「フェイクニュースの流布」であるとして処罰する、ということが増えています。
韓国の場合は、国情からいって、北朝鮮をめぐる駆け引きの文脈の中で「フェイクニュース」が問題となります。当然、北朝鮮から流される偽情報もあります。北朝鮮は、韓国の報道を注視しており、北朝鮮に批判的な報道が出ると激しく反発して外交上の合意事項を破棄したりするので、韓国の政府が北朝鮮との関係改善を優先する場合は、北朝鮮への批判を押さえようとします。結果的に、北朝鮮の意向がある程度韓国のメディアやNGOの啓蒙活動を左右することにもなります。こういったことは以前からあったことですが、やはり現在はネット上、特にSNSでどんどんニュースや政府批判が出て、拡散していくので政府が対処に苦慮している、というのはどの国でも共通していることです。ネットが普及した現在では、フェイクニュースの拡散を根元から断つ手段はないと言えます。
一方で拡散させる側、つまりユーザーのリテラシーを期待することも、これまた限界があります。為政者がそこで取る対応としては「フェイクニュースを拡散させた者への厳罰」となるわけですが、一定の抑止効果はあっても、やはり「言論の自由を侵害する」といった批判も起こるでしょう。