ライカに訊く。スマホはカメラの敵か?
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スマホの登場とそのカメラ機能の劇的向上でローエンドのデジカメ中心に市場が食われてしまっているのは、ご案内の通り。現在スマホを手がける日本メーカーはソニー、シャープ、京セラ、富士通ぐらい。一方でカメラ分野はドイツ同様、まだ高い国際競争力を誇っています。というのも中国、韓国勢にはなかなか真似できないレンズという参入障壁があるためです。
永年の経験で培ったレンズの設計・加工技術および美しい画像を記録・再現するアナログ的なノウハウは、デジタル技術が進んだ現在でも簡単に追い付けるものではないでしょう。だからこそ、ライカという老舗ブランドと新興のファーウェイが組む意義があるわけなのです。
たとえば良いカメラやレンズの特徴の一つは背景のボケが美しいこと。だいたい英語でもbokehという、日本語のボケをもとにした単語が使われているぐらいですから、この分野での日本の存在感の大きさがわかります。
一方、この間発表された新型iPhoneではボケの表現を後から調整できるのが売り物になってます。そういう意味では、スマホのカメラ機能が低・中位機種ぐらいのデジカメにどんどん追い付き、カメラ単体で生きる道が狭まってきているのも悲しい現状です。
さらに心配なのは、こうした状況も手伝って日本のカメラメーカーで経営が思わしくない会社が出てきていること。初めてオートフォーカスを実用化したのは旧ミノルタですが、そのカメラ部門はソニーに買収され、ソニーは今やカメラ市場でも人気のブランドとなりました。同じようにファーウェイやサムスンといった中・韓国勢が日本のカメラブランドの買収を画策していることは十分ありうる話でしょう。スマホとカメラ、あるいはAPS-Cやフルフレーム、中判といったセンサーサイズの違い。それらはそれぞれが得意とする分野があり、競合するものではありません。
スマホが置き換えたのは、コンパクトデジタルカメラと呼ばれるカテゴリで、これらとスマホはセンサーサイズや「普段から持ち歩いて記録的に使う」という目的が似通っていたために競合が起こり、一方が淘汰されてしまっただけです。
自動車で言えば、軽自動車がどんなにクオリティや性能を上げたとして、コンパクトクラスのシェアを多少食うことはあっても、ミドルクラスやCセグメントSUVに取って代わることはないのと同じです。