この連載について
ジャック・マーが創業したアリババは、デジタル空間を飛び越えて、あらゆる小売り、娯楽、金融、物流、製造業を呑み込む「巨人」になっている。その衝撃の最新レポートをお届けする。
この記事の著者 / 編集者
この記事に関連するユーザー
関連する企業
Starbucks is one of the most widely recognized restaurant brands in the world, operating more than 38,000 stores across more than 80 countries as of the end of fiscal 2023.
業種
喫茶・カフェ
時価総額
0.00 円
業績
シェア
新規登録またはログインすると
チャートを見ることができます
新規登録する
ログインはこちら
この連載の記事一覧
【解説】ジャック・マーが予言する、「未来のビジネス」の舞台裏
850Picks
【迫真】中国のデザインが、次々と「無印化」する衝撃
517Picks
【独白】日本が発明し、中国の決済インフラになったQRコードの真実
891Picks
【独白】アマゾン創業者は、ジャック・マーの「恐ろしさ」を知っていた
1077Picks
【現地発】アリペイを発明した、時価総額16兆円企業の「正体」
926Picks
【完全解説】アリババが創り出す「5つの未来ビジネス」
2091Picks
中国をハイテク国家に化けさせた、巨人アリババの正体
1345Picks
【イラスト解説】世界を熱狂させる「ジャック・マー全史」
2926Picks
アリババは今年8月、中国のコーヒーチェーン市場の50%以上を牛耳っている、スターバックスと戦略提携を発表しました。これまで「店舗重視」だったスタバが、ジャック・マーが率いるアリババのエコシステムを活用して、出前サービスだったり、はたまた生鮮スーパーの厨房をつかって、出前スタバの調理場まで作ろうという計画です。
その裏側には、異常な勢いで進化しているコーヒービジネスの存在があります。「コーヒーはもう飲食業じゃない。テックビジネスだ」という一言が印象的で、その結果起きていることは...。非常に面白い、中国の最前線をレポートしました。ぜひご一読ください。
スターバックスコーヒー|1,304店
ドトールコーヒーショップ|1,124店
コメダ珈琲店|770店
タリーズコーヒー|682店
サンマルクカフェ|401店
参考 https://a.excite.co.jp/News/smadan/S_Mitok_108726/
※2017年
ところで、中国で事業を行う上での最大の優位性の1つには、労働市場の差がある。日本のまさに高度成長期もそうだったが、採用可能な人が溢れでる環境はとにかく強い。これはただのエクスキューズに過ぎないけど、日本で同じことをやろうとしてもまず間違いなく採用が追いつかない。
中国に住んでいる方のコメントが少ないのを見ると、みんなそうだったのかもしれませんね(笑)
この記事のスタバのように、現在の中国ではどの業界もデジタルトランスフォーメーションができないとそれを武器にするスタートアップにやられるという市場状況にあります。
日本市場もいつかこうなるでしょう。
その中で、大抵の企業はテンセントと組むかアリババと組むかの二社択一を迫られます。
理由は彼らのトラフィック力やデータ力が強いため、自分が組まないと競合が組んで競争で負けるから。
そのスピード感はまさにここに書いてある通り、競合が判断した一ヶ月後には自分たちも契約をdoneさせている状態。
日本と変化のスピードが違います。
「コーヒーの注文欄を見ると常に「2杯買うと、1杯が無料」「5杯買うと、5杯が無料」といった特別キャンペーンを流しており、周囲を巻き込んだデリバリー注文を促してくる。
最初の4ヶ月で、合計500万杯のコーヒーが売れたという。」
それにしても七ヶ月で630店舗って一体どれだけ調達したんだ?!
最近よく話題になっていてアプリ決済などは知っていたが、創業1年にも経たないとは知らなかった…オフィス街に大量出店して、デリバリー対応というのは、完全に「密度の経済」を取りに来ている。
面白いのが、スタバはAlibabaの宅配サービスの「ウーラマ」と提携していること。ラッキンコーヒーは垂直統合をしているのに対して、スタバは水平分業。ウーラマはほかの宅配もしているので、「範囲の経済」を取りに来る形。ただ下記のビービット藤井さんの記事を見ると、ウーラマのなかでスタバ専用ドライバーがいる模様なので、完全には取れない。
普通は最初の資本がない状態は水平分業を志向すると思うが、そこであえて垂直統合に向かった理由が気になる。
店舗の面積効率(面積当たり売上)としては、デリバリーやピックアップ前提のラッキンのほうが、サードプレイスといて場所が必要なスタバより、単価が低くても効率は高そう。
luckin coffeeについては、ビービット藤井さんの下記記事も必見。
https://newspicks.com/news/3291663
密度の経済や範囲の経済の解説
http://www.nsspirit-cashf.com/manage/keizaisei_bunseki.html
しかしながら、従来の飲食・小売りは、「目の前のお客様の購入」に重きを置いてきましたが、アリババやアマゾンは、「目の前のお客様の購入前・購入後の付き合い方」まで設計されています。それを可能にするためにテクノロジーがある。ECが主体というわけでなく、「オフラインでのゲームチェンジを仕掛けている」ということを見落とすと、既存事業者は食われていくでしょうね。
デリバリーが発展でイートインを持つ必要がなくなるわけで、店舗面積を小さくしてその分立地や品質にコストをかけられる。
マイクロビジネスの美味しいコーヒーショップが増え、面を取り始めたのも、実は中国の現状。そのモデルを拡大させたのがラッキン。
なお、コーヒー好き視点から見たスタバの苦戦と原因が以下にまとまっています。
「コーヒー大戦争 -スタバの中国売上にみるOMO型ゲームチェンジ」
https://newspicks.com/news/3291663/
この記事を読むまで、まったく知りませんでした。店舗拡大の戦いというよりも、アプリの闘い。モバイル注文で、デリバリーと店頭ピックアップが選べる。決済は登録した決済手段で事前決済。だから、取りっぱぐれはありません。
モバイルでの事前注文決済というスタイルを築いたのは、実は米国のスターバックス。それをラッキンは中国でいち早く採用したということ。中国スターバックスはこのサービスを導入していなかったのでしょうか。コーヒーチェーンはモバイル+デジタルの戦いになっているのですね。