なぜ今「カスタマーサクセス」が重視されているのか――世界で起きているムーブメントと日本での可能性
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SaaSを始めとしたサブスクリプションとカスタマーサクセスの相性は抜群です。
なぜなら提供企業側がユーザーのハッピーを全力で創出し続けることで課金が継続する構図になっているからです。
従来はマーケティングや広告を駆使して「売ってしまえば勝ち」という側面が少なからずありました。これがSaaSだと通用しない。
ユーザーと提供企業のKPIが一致するのがサブスクリプションモデルの特徴です。これは「定期的に収入が発生するから儲かる」というような収益モデルよりもずっと重要なポイントだと思います。
高級バッグレンタルのラクサス( https://laxus.co/ )代表の児玉さんは「ユーザーがバッグをレンタルすればするほど離脱率が減る。だから商品の回転率を高めることをKPIにして色々な手を打っている」ということをおっしゃっていました。
商品の回転率が高まれば企業サイドとしてはコストを負うことになるので、従来であればこんな発想はなかなか生まれなかったはずです。
商品を売り切るのではなく継続的な体験を売ることが浸透しつつある世の中で、消費者と企業が同じ方向を見ている。これは本当にすごいことで、これこそがサブスクリプションやシェアリングエコノミーの本質だと思います。積読状態だった著書「カスタマーサクセス - サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」について理解が深まる記事。
最近はさまざまな商材でサブスクリプションの、特に定額×放題モデルが喧しいですが、提案する顧客価値が抜けてしまえば、需要予測による単なる割引に過ぎません。
本記事のようにサブスクリプションの本質をCustomer Retentionとして捉え、そのための打ち手をCustomer Successとして提示し、Customer Supportと比較してくれることで、とても分かりやすかったです。
また本の著者が、カスタマーサクセスSaaSのGainsight CEOであることも分かり、改めて読んでみたくなりました。
しかしカスタマーサクセスのSaaSって、どんなものなのでしょうか?
(参考)Gainsight
https://www.gainsight.com/
10/5追記
「カスタマーサクセス」流し読み終了。正直な感想として物足りない。。
定期収益型で採算が取れない事業は無いかのように、顧客はモノを買わなくても良くなったと、提供者側に資産をワンセット用意する「クラウド」を例に出して言っており、VWのような自動車メーカーもSaaS企業としておりました。
そして「自動車会社がサブスクリプション型の自動車保有制度を導入するのも、そう過激な想像ではないだろう」と、VWのテレマティクス・サービスから一気に飛躍しているのがどうも。
プリンターインクやジレットモデルのような消耗品による従量課金で採算が取れるのは、ある一定額以下の「家庭用インクジェットプリンタ」や「カミソリの柄」であって、自動車の車両本体を定期収益型で賄うのとは分けて考えないといけないのではないだろうか。
つまり、ある一定額以上の先行投資を顧客に求めるような財のサブスクリプションは、その財を使う際に必要な消耗品(もしくは何らかの使用量)からの収益でも賄いきれず、従来の定額支払の”リース”と何ら変わらなくなってしまうということです。
この財を使ったサービスを、映画館やフィットネスクラブ、ホテルや航空サービスに敷衍すると、今度は逆にダイナミック・プライシングもしくはPrice Discriminationをして、レベニュー・マネジメントをしていることが多いです。日本企業が軽視してきたバリューチェーンの下流工程のカスタマーサポート。そしてこれまた日本ではなかなか進まなかったCRM。双方ともに、全社的な顧客中心主義経営の考え方の中で最も重要な業務機能であり、コンセプト/ツールでしたし、本来ならば丁寧な顧客対応は日本企業の得意とするところだったはずです。
SaaS型/サービス/サブスクリプションの時代になり、顧客満足度と継続利用率が収益直結するようになれば、必然的に前述の業務機能やコンセプトをコアに置かねばならず、それわがビジネスのコアであるセールスフォースドットコムを始めとするカスタマーサクセスの権化とそれに倣った企業の取り組みが米国で体系化・具現化したわけです。
重ねますが、本来は日本企業が得意だったことのはずです。
本質を見極めて、ミッションと機能優先度を組織全体で変え、そこにエースを配置し、顧客に寄り添い、課題解決を優先し、顧客起点で社内業務を処理するビジネスモデルに "戻していく" ことが必要でしょうね。