イラン、シリアの「テロ」拠点にミサイル 軍事パレード襲撃の報復
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イランがイラクを飛び越えてシリアに向けて弾道ミサイルによる攻撃を行うのは、史上初めてと思われます。報復うんぬんよりも、本当の意図は、攻撃能力(主にシリアのすぐ先にあるイスラエルへの)を誇示することにあると見られます。
イラン西部で起きた銃撃事件の報復としてシリアに弾道ミサイルを撃つ、というのはあまりわかりやすい話ではありません。一応、標的になったシリア東部にはイスラーム国を名乗る勢力が残存しており、標的は彼らである、という名分はあります。この名分ならば、米国をはじめとする諸外国も真っ向から非難はしにくいであろう、という目算があるでしょう。しかし、彼らはイラン西部で起きた銃撃事件については犯行声明は出していますが、本当に彼らの犯行であるのかは、イラン政府も断定はしていません。
ミサイルには、「アメリカ、イスラエル、サウード家に死を!」と大書されていました。7発発射してm、1発はすぐにイラン国内で墜落しました。また、ドローンによる攻撃も行ったとイラン革命防衛隊は主張しています。
https://www.youtube.com/watch?v=l14xLUGo4d8
銃撃事件の機会を利用して、革命防衛隊が攻撃能力と米国・イスラエルへの対決姿勢の誇示を行ったと見るべきでしょう。もちろん、これで米国によるイランへの経済制裁が止まることはなく、むしろ逆効果ですが、革命防衛隊としては、国家の窮地にあって強硬姿勢を示すことで、イラン国内での政治的立場を強めたいのでしょう。イランはかなり不安定になっている。イラン国内でテロが起きるということ自体が、イラン政権には痛手であるが、よりによってイラン革命防衛隊が襲われるなどというのは、非常に由々しき事態。何故防げなかったのか、どういう意図か、裏に誰が糸を引いているのか、色々と禍根を残すだろう。そして来月にはいよいよ米国のイランへの制裁第2弾が発動する。これはイランとのエネルギー取引への制裁であり、イランを苦しい状況に追い込む。追い込まれるのは、国民と政府の両者だ。国内がイラン政府に暴発することもあるし、イラン政府が対外的に暴発することもある。中東情勢が非常に危険になっている。