ヒト胚のゲノム編集で、次世代CRISPR技術に先鞭をつける中国
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従来のCRISPR技術は、DNAの二本鎖を切断することで遺伝子の機能を失わせたり、新たな遺伝子を組み込んだりして編集する手法でした。今回の記事で次世代CRISPRとして紹介されている「一塩基編集(base editing)」は、二本鎖を切らずに1文字を書き換えられるという「切らないゲノム編集」技術です。
二本鎖の切断は細胞に強いストレスを与えるため、細胞死が起こりやすいとされます。iPS細胞のようなヒトの多能性幹細胞では特にその頻度が高く、生き残ってもがん化しやすい異常な細胞がたまっていく恐れが指摘されていました。一方、切らないゲノム編集では、細胞に与えるストレスが小さいため、細胞死のリスクが減らせることが分かっているそうです。中国の研究チームがヒト受精卵でこの技術を試した理由はそのあたりにあるのでしょう。
それにしても基礎研究とはいえ、中国で新たな技術をヒトの受精卵に試すその速さには驚きます。記事によれば、今回の研究では患者から精子と卵子を採取し、研究のために受精卵を作ったそうです。精子はともかく、卵子の採取は女性の体に大きな負担を与えます。事前の倫理審査がどのようになされたのかも、詳しく知りたいところです。この分野に限らず、中国は科学研究に潤沢な予算がついているので、勢いがあるのは確かです。
ヒト受精卵へのゲノム編集については、欧米と中国で宗教的な価値観の違いが背景の一つにあります。
キリスト教では「受精した瞬間を命の誕生とする」意見が強くあります(宗派によって多少異なります)。一方、中国などの儒教思想では、「生まれた瞬間を命の誕生とする」見方が強いようで、受精卵のゲノム編集に欧米ほど抵抗感がないようです。もちろん個人によって意見は変わりますが。映画のガタカの世界が、もう目の前に現れるんですね。
生命倫理学のベクトルで大学でそれに権威ある
教授とあーだこーだ話していたのも懐かしく
遠い未来に感じていましたがね〜
原題 "Gattaca" のクレジットで強調されるGとAとTとCは、DNAの基本塩基であるguanine、adenine、thymine、cytosineの頭文字である。
引用 Wikipedia
https://m.youtube.com/watch?v=LQdjccJOfyU&feature=youtu.be