光と熱を利用して可逆的に変形する材料を開発
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注目のコメント
scientific report ってそれなりにいいジャーナルだから、それなりにいい結果だと思って僕は論文を読みます(だいたい評価が、甘くなる、ということですね)
元論文こちら。
http://advances.sciencemag.org/content/4/8/eaat4634
○ザックリ背景
スイッチぽん、で、形が変わる材料、というのが(少なくとも)研究者の(場合によっては研究者以外の人々も)興味を、ここ30年くらい惹きつけていて、そのスイッチの代表が光と熱。(yamazakiさんは電場とか磁場とかのもっとアレな電磁波で、やりたいのかと妄想。笑)
光と熱は、いざ実用、となったときにありふれているし、光の場合は、局所的にピカッと当てることもできて、「なんか色々使えるだろ」感があります。
○本研究の凄み
さて今回は、光を当てて形状を記憶させて、熱でその形状と、平らな状態を行ったり来たりさせられる、という報告。
ミウラ折りは知らなかったけど、この材料がスゴイのか、実はミウラ折りがそもそもイケてて、ミウラ折りをチョイスして実証したから、イケてる感じに見えているのか、は、分かんなかった…
○感想
スイッチぽんで形を変える研究の、形の変わり具合が、ドンドン激しくなっているのを感じます。昔は、ペロっと皮がめくれる、くらいのものだったのが、この研究は、ベコベコ動いている。
これを「実用に近づいている!」とみるのか「ドンドン蛸壺が深くなっている」とみるのかは、好みの分かれるところかな…電気と違って非接触で制御が出来るところが魅力ですね。できれば、自然の環境変化の中で、例えば宇宙空間での直射日光(温度変化)の有無を利用することで一番有効に使える場合が見つかりそう。(赤の単色光を確認できる自然現象でなにかあるかな?)
追記
そういえば、オーロラは酸素分子との衝突による励起状態で赤色に発光しますね。
追記2
(誤字一部修正しました。)
私は電磁気に限らず、光熱波、拡散・変態も活用してスマート材料を開発・設計していきたいですねー。最終ゴールを1つの分野に限らず、材料開発にフォーカスできるのがアカデミアの良いところかと思います(笑)
狭い環境でも限らないので任意の場所で、自ら応答して動作する、あるいは力に応じて特性が変化する、この「自律性」がこの手の材料で一番大事なことなのかなあと感じます。そのため、今回の報告は、その手前一歩の基礎研究といったところでしょうか。変形と復元は熱で、形状の記憶は光で行う、と機構が別になっているのが面白いです。
本研究とは別ですが一般的な形状記憶ポリマーの動画はこちらが分かりやすいです。
http://www.nims.go.jp/chikara/column/polymer.html