週刊医学界新聞〔寄稿〕人工知能を用いた医療機器の現状と日本の国際競争戦略(三宅正裕)
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注目のコメント
日本はそこまで踏み込めないかもしれない
「Digital Health Software Precertification Pilot Program(通称Pre-Cert Pilot program)と名付けられたこの施策では,プログラムの設計・検証・モニタリングの手法等に関して企業ごとに事前に審査し,「FDAの定めるPre-Cert水準を満たす」と認定された企業が申請するプログラム医療機器については承認にかかる手続きを簡略化することをめざす。
Pre-Cert水準を定めるためのこのパイロットプログラムには,Apple社,Fitbit社,Johnson & Johnson社,Pear Therapeutics社,Phosphorus社,Tidepool社,Verily社,Roche社(スイス),Samsung Electronics社(韓国)の9社が選定されており,残念ながらここに日本企業の名前はない。」
「本邦はAI開発に関して世界に後れを取っているが,今後世界に伍して国際展開を図るために今やるべきことは,個別のAIを作り上げることではないだろう(もちろんそれも重要ではあるが)。
データさえあれば高性能のAIが作れてしまう現在,よほどのプレミアムがないと他国のAIを輸入しようというインセンティブが働かないため,企業・行政・アカデミアが協力してルール作りおよびプラットフォーム作りを進め,より得難い教師データ(例えば長期予後等)を,信頼性・透明性を確保しつつ収集・実用化していくことが重要である。」
「国民皆保険下で蓄積された本邦のデータには刮目すべき点が多く,ルールとプラットフォームを早急に固めることで現在の後れを取り戻すことができると筆者は考えている。
一方,一般的に診療で用いられるデータを収集するためのプラットフォームについては,2016年度より日本医療研究開発機構(AMED)の支援の下,学会主導で画像等データベース構築が行われている。
当初は日本病理学会,日本医学放射線学会および日本消化器内視鏡学会の3学会で開始され,現在は日本眼科学会,日本皮膚科学会および日本超音波医学会が加わったことで,計6学会がAI作成への活用を見据えたデータベースを構築中である。」