仮想通貨が通貨ではない理由(久保田博幸)
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通貨の三大機能として、「価値の保蔵」「価値の尺度」「価値の交換手段」なんてことがよく言われる。
さて問題は、この三つの機能を有するならば、公的機関が発行しなくとも、通貨と呼べるのか?ということだ。
あるいは逆に、公的機関が発行するのであれば、この三つの機能を有しないとしても、通貨に値するのか?ということでもある。
たとえば、ベネズエラのハイパーインフレが話題になっている。
ベネズエラの通貨制度は崩壊し、通貨の三大機能を果たせなくなっている。
この現状で、仮想通貨が支払い手段として流通しているという。
つまり、既に機能を失った法定通貨と、十分に機能する仮想通貨とが、決済手段としての地位を争っているのだ。
この記事のスタンスは、「法定通貨だけが通貨だ」というものだ。
しかし、言わせてもらえばるならば、「円やドルのような基軸通貨だけが通貨ではない」と指摘したい。
つまり、世界200カ国の法定通貨のすべてが、安定し、機能し、信用されているわけではないということだ。
ベネズエラを例に出すまでもなく、法定通貨が機能しない国や地域にあっては、仮想通貨は十分に貨幣としての価値を持つ。
円やドルの世界を当たり前だと思っていれば、たしかに仮想通貨は胡散臭いだろう。
しかし、世界的に見るならば、法定通貨もけっこう「胡散臭い」代物なのだ。
毎年話題になる「イグノーベル賞」の賞金は、10兆ジンバブエドル紙幣(!)で支払われるという。