中国スタートアップ界に異変。「バブルに興じる時間は残り少ない」
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以前、中国のベンチャーキャピタリストの方と話していた時のこと、彼が笑い話として語っていたのは、中国にはスタートアップよりもVCの数の方が多いということです。
金余りを背景にしたハイバリュエーションであることは彼らも百も承知で、「中国でのベンチャー投資なんてコモディティトレーディングのノリだ」と話していました。ファンダメンタルから考えればどう考えても馬鹿げたバリュエーションであることなど誰もが分かっていると。
そのうえで、別れ際に彼が言っていた"China is a jungle. But jungle is fun"という言葉が非常に強く印象に残っています。
良くも悪くも、彼我の違いを痛感する次第です。AIに関しては、少し違う側面があるかもしれません。
以下の記事(※)によれば、中国におけるAI関連のスタートアップが昨年一年間で5,000億円近く調達したとのこと。
世界的なAI領域への投資は150%増で、2016年4,000億円だったものが、昨年は1兆700億円規模に。
米国におけるAIスタートアップが昨年一年間で155の投資件数で4,400億円調達したのに対し、中国のそれは19件で4,900億円調達。調達額で米国を凌いでおり、かつすぐに商業利用出来るようなAI技術をもったスタートアップが調達に成功しているようです。
中国の最高国家行政機関である中国国務院が2017年7月、2030年までに中国をAI開発の分野における世界の中心地に育てるというAI活用計画を発表してるので、AI領域については少し趣が異なるのかもしれません。
※Chinese AI startups raised $5B in VC funding last year, outpacing the US
https://www.techrepublic.com/article/chinese-ai-startups-raised-5b-in-vc-funding-last-year-outpacing-the-us/たかだかこの数年で一気に十倍以上も大きくなった中国スタートアップ資金調達、当然山が大きければ谷は来る、この手の議論は誰でもできる、ただしそれがいつ、どのように起きるかは神のみぞ知る、というのが景気というものです。
一点本稿の議論に不足があるのが、PE・ベンチャーキャピタルのファンド調達や投資金額の議論のみに終始している点ですが、中国含め世界的に今、スタートアップの資金提供者の主役はVCからコーポレートに移行している点です。
結局はコーポレートドリブンなスタートアップ景気である事からも、過去のサイクルと同様に、スタートアップ景気は、マクロ景気、上場株式市場景気の終わりと同期するはずです。