【公開】東大卒「畑に入らない農家」のカイゼン500
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本記事の阿部梨園佐川です。読んでいただいてありがとうございます^q^
弊園の経営改善実例は「阿部梨園の知恵袋」というサイトで全て無料で公開されています。ご覧ください。4年間の道のり、悪戦苦闘も赤裸々に書いています。
http://tips.abe-nashien.com/
未来食堂さんに着想を得て、農業でもオープン化が必要だと思い、クラウドファンディングで起案しました。返戻率低めなのに、320名以上から約450万円もご支援いただきました。
日本の個人農家は生産性が低いから淘汰されて当然、と切り捨ててしまえばそれまでですが、個性派農家の皆様に、元気に生き残ってもらいたいという個人的な願望が起点なので許してください。
大規模化やIT化、法人化などのビッグワードが農業者の頭上を飛び交います。それらを取り扱う農家自体がアップデートされなければ実効性は薄いので、まずは目前の小さなことから合理性を注入し、体質を変えるよう提案しています。
生産技術や情熱は不足ないのに、事務や経営、雇用においては他業界では当たり前のものが色々ありません。最初は引くほどびっくりしました。先代のやり方をコピペしている限りでは、ワークフローを見直すことすら少ないのです。私はこれを反転して「伸びしろ=ポテンシャルがある」と捉えてみました。
(なぜ今まで農家の非生産分野に光が当たらなかったのかはお察しくださいw)
戦略コンサルや広告代理店のかっこいい再生事例ではありません。トヨタ式ほどキッチリやってもいません。農家の極小リソースで、できることを手当たり次第に消化した泥だらけのテクニックです。私自身も生活やキャリアをBET ALLしました。
まず目前の機会損失を一掃してから、あるべき農業経営を語ってもいいと思っています。この話題提起をきっかけに、優秀な方々や企業に参入していただいて、抜本的な解決してもらいたい一心です。
私のような変わり者が農家にフル就職する事例の再現性が低いことはわかっています。専従の参謀がいなくても農家が自己変革できる仕組みが必要です。これは事業会社さんと連携を始めています。
最後に、この取り組みは、私だけではなく阿部梨園のスタッフ一同、とりわけ代表阿部の成果だということは書き残させてください。ありがとうございました><(長)この特集を担当している川内です。3日目は東京大学、大学院卒、外資メーカーからナシ園に転職というユニークなキャリアを持つ佐川さん。
佐川さんは、農作業は専門家であるオーナーに任せて経営管理業務を一手に担っています。そのなかで大小500項目にも及ぶカイゼンを実行し、直売率99%を達成しました。
さらにクラウドファンディングで資金を募り、目標額の4倍超の金額を集めてノウハウを公開。この斬新な取り組みは、農業界で話題を呼びました。
阿部梨園での佐川さんの試みは、農業全体を革新するようなものではないかもしれません。しかし、クラウドファンディングの結果は、他の生産者からの高い関心を示しています。
大規模な農家がまだまだ少ない日本で、中小規模の農家がカイゼンで生まれ変われば、日本の農業はもっと元気になる可能性があると感じました。同時に、溌溂とした様子で働く佐川さんを見て、経営を合理化した農業は若者の仕事の選択肢になりえると感じました。
ちなみに、阿部梨園のナシは豊潤でとても美味しかったです。生産者としての阿部さんの腕前あってこその直販率99%だと思いました。現場に出ちゃうと因数の多さとリアルな面倒さが見えてカイゼンできなくなるけど、現場に出ていないと現場の人に信頼されない。
という狭間で逡巡されたことも数多くあると思います。
まずはそこでカイゼンに徹せられたところがすごいと思います。
また、すでにカイゼンを終えて99%出荷できているのであれば、新規事業を始めでもしない限りコンサルとしての役割は終えたとも言えるかもしれません。
少なくとも単体の梨園としての伸びしろは今までのにようには発揮できないでしょう。
そこが農業の鈍臭くも面白いところ、右肩上がりが続くことはまずありません。
そこではじめたカイゼンのオープンソース化がどのように展開していくのか?とても楽しみです。