この連載について
日本食を支える「農業」は、待ったなしの危機的状況にある。就業人口は半減、就労者の平均年齢は66.6歳に達してしまった。米・野菜・果実等の農産物は1990年の6.8兆円から、現在は5.1兆円と減少している。このような状況下、旧来のシステムの外で農業の変革に挑む7人を徹底取材した。
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日本郵便・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険等で構成。郵便、銀行、保険の異なる3つの事業を、郵便局の窓口ネットワークでつなぐ。ゆうちょ銀行に利益依存。
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Amazon is a leading online retailer and one of the highest-grossing e-commerce aggregators, with $386 billion in net sales and approximately $578 billion in estimated physical/digital online gross merchandise volume in 2021.
時価総額
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日本中を歩き回っていると、農畜水産業の多様さに出会います。規模や農法だけで語られやすいですが、環境や資源の違いや、作り手さんの考え方や技術も、一つ一つ違います。大量・高効率生産もすごく大切ですが、同時に、あらゆる環境や資源を生かしながら進む、中小規模の多様な食料生産も持続していきたいし、その方がしなやかな社会にはなるなぁと思ってます。
こうした多様なプレイヤーによる「適地・適期・適作」を支える仕組みは、まだまだこれから。流通(商流、物流、金融)ももっと多様に進化しないと、と思ってがんばります!
あくまでも中規模農家の立場からのコメントになります。
買いきりと需要予測のノウハウは素晴らしいと思います。特に買いきりは農家が安心して出せるのですが、こんな当たり前のことを嫌がる売り先もあります(リスクを取らないなら相手にしませんが)
ただ生産者のモチベーションが下がる
の部分はいくつか疑問が。
「2.農協などに卸すと」
市場で名を馳せると単価上がります。指名買いと呼ばれるもので一定の金額以上の値段で仲卸や小売りから農協に指定があるため楽に儲かります。うちも3年目から指名買いが入るようになりました。同じ地域の人より抜けた価格で仕切られるのはやりがいになります。既存流通でもプロはきちんと見てくれて価格に反映してくれます。
「4.中抜きによって」
市場価格と違うといいますが、巨大物流の場合は中間が居てくれることで何かあったときのリスク分散になってます。あまり知られてませんが農家だけが被害を被らないよう市場や仲卸が無理に買い支えしてくれることもあります。むしろ直接取引の方はリスクをもろに農家が被るので価格設定にはそれらを反映していなければならない。という事を地域のお年寄りがどれだけ理解してるか疑問です。
「5.規格」
作物を全部綺麗に規格通り作るのは裏を返せば顧客ニーズに的確に応えることになり、やりがいだと思います。廃棄するかどうかは営業力の問題ですし、大規模になれば誤差みたいなものなので、人件費かけて安いものを収穫する必要性がなくなります。概ね歩留まりが8割なら十分です。
「6.産地調整」
出せば赤字になるなら肥料にした方がいいです。
契約栽培の割合を多少いれて、そこで乗りきります…少なくともやりがいが削がれることはないです。むしろ新たに人件費かけて赤字拡大するとかありえない。またこのサービス使う農家さんが生産調整の対象になるのかな…。20ha、30haの農家が100軒あるような産地から対象になるかと思います。
この辺は農家の規模感、立場でだいぶ考え方が変わります。現在は直接取引や市場も集金と伝票だけの処理もしてくれるなど、商形態も多様化しています。既にここに書かれていることは課題では無くなっています。
ぼくも昔、楽天にいた頃に、生産者とエンドユーザーを直接つなぐ「みん農」というサービスでビジネスアイデアを練ったことがあります。エンドユーザーが耕作放棄地に直接投資して、繁忙期にだけ現地に行って農作業を手伝い、配当金ならぬ配当米をもらうというサービス。農業領域のクラウドソーシング×クラウドファンディングみたいな感じですね。
大きな産業に、大きな歪みがあって、その歪みに変化の兆しが見えるときに、それが大きなビジネスチャンスとなる。
インターネットの活用がもはやあらゆる産業において当たり前になってきた現代において、農業はラストフロンティアみたいなもの。八面六臂やフーディソンのように、ITの力で水産物の流通を変革しているサービスも出てきていますが、もっとも身近な食にこそ、いまだ大きなアンメットニーズが存在していて、変革の余地がある。
ビジネスとして成立するには時間がかかるでしょうけれど、こういう本質的なサービスは、しっかりと着実に広がっていってほしいと思います
ICCで菊池さんにお会いした夜に、友人と「めっちゃ頭がキレて面白い人がいるね。」と盛り上がった記憶を覚えています。確かにファームノートの小林さんに会った時と同じインパクトを覚えました。
ここからは僕の勝手な妄想と理解なのですが、
飲食店のための集出荷・小口配送システムを持っているのがSENDというイメージ。農総研さんが資材統一のインショップかつ主に手数料モデルに対して、菊池さんは飲食店かつ買い取りというビジネスモデルを仕掛けたところが鮮やか。
ウェブサイトを見ると、ポケットマルシェとも仕組みは近そうですが、B2Bかつ集出荷なので、仕組みが少し違いますね。
出荷と需要という不確実性の高い2つを物流仕分けセンターと計画生産でカバーしているという感じでしょうか。ビジネスモデルの肝で菊池さんが勝負を仕掛けた部分だと勝手に推測します。
そして生産者が求める支払いの速さには、SBIと組んで新たなサービス仕掛けていくのかな。
https://planet-table.com/newsrelease_farmpay/
最近ウチもFBNと比較させることが多いですが、僕から見ると菊池さんのモデルの方が近いように思います。ここから資材や農機のシェアリングに出て来るなら尚更。個人的にはキャッシュポイントを増やした方がいいような感覚を持っています。
プラネットテーブルさんが、「商流 x 物流 x 金融」を包括的にイノベーションする食料生産・流通支援プラットフォーム」に成長されるのを、九州から菊池さんの1人のファンとして応援しています。
九州も面白いことを秋に仕掛け、僕たちなりに頑張ります。
追記: そうか。飲食店と垂直統合して店舗展開したのがAPカンパニー。水産で輸出と繋げたのが羽田市場、飲食店と繋げているのが八面六臂ですね。
通常、農家さんは、JAへの資材への支払いが現金化よりも早く、現金化が他分野よりも遅いため、資金繰りが苦しく新たに投資しにくい状況に陥られています。
作物にもよるそうですが販売収入の振込みは、販売の翌月となるケースが多いそうです。
資金繰りが苦しいため、新しい技術への投資もできず、非効率なままとなっています。
また、既存の生鮮野菜の販売システムは、主に単なる需給マッチングか販売委託方式となっていて、サイト側で需要予測をして全量買取まで実施しているところは、他にないと思います。
販売価格も、レストラン等が提示するか農家が提示するか、サイト側が妥当な価格と設定することも珍しいと思います。
しかも、ニーズをひろって農家に伝え、農家からの新しい提案を店舗に伝える!
こういう仕組みが拡大していけば、日本の農業も盛り上がっていきそうですね。今度、どのように拡大されるのか楽しみです。
>「SEND」の側で生産コストを織り込んだ生産者が納得する価格設定をする。その後にレストラン側の需要予測をして、必要な分量を農家に発注する。発注した野菜は、すべて買い取るという流れにした。
むしろ、ある種互助的であり経営機能がない小規模農家と共依存にあるレガシーシステムが崩壊すると、市場原理となり淘汰、集約が進んでいく方向に向かうように思います。
小規模農家の生き残りとしては、他に無い特徴的なものを作れるか、という方向に集約していくように思います
品質、あるはずの野菜がない、痛んでいた、虫が、、、
予定通りに進まないことが日常と思いますが、そこをどう対処しているのかが大変気になります。
飲食側もオーナーシェフのような店舗じゃないとリカバーが難しい。
穿った見方かもしれないけど、農協とかの既存の農業の仕組みは、主役は国で、むしろ、いかに「やる気のない」農家の人たちが集まっても、一定の食料を供給してもらうか、というところに、主眼が置かれていたんだろうな。農薬の開発をしていた時に、(少なくとも日本の)農業って、すごく中央集権的で、農家が意思決定していないんだな、という事を知りました。どんな農薬をまく、とか、農協が決めている、みたいな。環境への影響とか耐性植物を考えれば、リーズナブルなんですが。
でも、ここにきて、「やる気ない」農家の数もサスティナブルじゃ、なくなってきている、のかな。そして、SENDのそうなプレーヤーが出てきて、民主化が進んでいくのかな。
とか言って、大塚さんのコメントによると、ケースバイケース、とのこと。深い。
当初は、流通・物流プラットフォームと言っていましたが、最近は生産者支援プラットフォームを標榜し、生産者の手取り8割のように生産者を大切にしているところが素晴らしいと思います。
生産者のモチベーションはなぜ下がる?で列記されている項目は、恐らく菊池さん自身が就農した時の実感に基づくものでしょう。
"SEND"に引き続き、生産者向け早期支払いサービス"FarmPay"や生産者側の食材アピールとレストラン側のニーズをマッチングする"seasons!"といったきめ細かいサービスも展開しています。
また、物流を自前でやっている理由のひとつとして、配送担当者がレストランのシェフのニーズを聞いたり新しい食材のオススメをしたり、というFace to Faceを大切にしている点も素晴らしい。