良品計画、市場も首をかしげる中国事業の先行き
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どういう文脈で発言したのか分かりませんが、「首をかしげる状況」という言葉が独り歩きしてしまって株価に影響を与えてしまった部分も大きいのではないでしょうか。
IRで使用されているデータブック
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7453/ir_material_for_fiscal_ym/50554/00.pdf
を見ると、中国の既存店売上の成長が
・2016年3~5月: 4.7%
・2017年3~5月: 5.8%
・2018年3~5月: 1.8%
となっていて確かに鈍化していますが、海外事業全体の同数値は
・2016年3~5月: 6.8%
・2017年3~5月: 2.1%
・2018年3~5月: 1.0%
となっていて、中国は海外事業全体の中ではむしろ数字はいいことが分かります。
また松崎社長の説明によると「売れ筋の化粧水の品切れが原因だ」「商品のパッケージ変更に伴う中国政府の販売認可が遅れて欠品が続いた」「衣料品などの在庫が不足して機会損失が膨らんだ」とのことで、在庫水準を適正にコントロールすれば次の四半期以降では前期や前々期と同水準の成長に戻ることも期待されます。
とはいえ記事でも指摘のあるように中国系の競合相手の台頭もめざましく、「名創優品」で売っている商品は模倣でありがちな「安かろう悪かろう」ではなく、お店に入ると楽しくなって時間が過ぎるのを忘れてしまうくらいクオリティの高い商品もたくさん並んでいます。引き続き足元をすくわれないように気をつける必要があります。
いずれにせよ「首をかしげる状況」というような不用意な発言には気をつけて頂きたいですね。
注目のコメント
雑誌『PEN』の中国特集のため、深圳のMUJIホテル及びストアを現地取材しました。
客足は好調。地下鉄がまだ開通していない不便な場所にもかかわらず、MUJIダイナーのランチを食べるためにわざわざきた客で行列ができるなど、などブランド力は健在との印象を受けました。
そうした中、中国経済は先行きが不透明になっているとはいえ、「首をかしげる状況」となっているのはちょっとした驚きです。
ちょっと気になるのは無印を追随した中国ブランドが大量に増えていること。ネットイーズの網易厳選、アリババの淘宝心選などはデザインのみならず、品質でもかなりハイレベル。ライバルの出現がどう業績に影響するのかは気になるポイントです。中国市場の変化のスピード、競合のスピードは凄まじい。
本質的には今の強みではなく、変化に対して常に先を行く経営の強さが問われる。
その点で変化の薄い日本市場に意思決定機関を置いている時点で劣勢要因。
ここまでのブランド構築の強みは十分なので、今後の成長はいかに経営体系そのものを中国市場速度/規模に適応出来るかだと思います。