最低賃金の引上げは、「情報弱者」の味方
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最低賃金が上がると、経営者は困ります。労働者にとって良い事なのか悪い事なのかは、ケース・バイ・ケースです。
失業者が多い時に最低賃金を上げると、失業が増えてしまうので、労働者にとっても悪いことです。
一方で、労働力不足の時には、最低賃金が上がっても失業が増えないので、労働者にとっては良い事でしょう。
そもそも労働力不足だということは、労働力の需要が供給を上回っているという事ですから、「市場メカニズムでは達成されない均衡価格を法律で達成させる」という意味合いがあります。
市場メカニズムがうまく働かないのは「情報弱者」がいるからです。均衡価格より低い賃金で働いている人には賃上げをしてあげましょう。均衡価格より低い賃金で労働者を探している経営者には、「賃上げしないと労働者は集まらない」と教えてあげましょう。その役割を最低賃金に担わせる、というわけですね。私たちが知らない所で、知らない人がこっそり決めている事は分かりました。
※厚労省公式HPより。
Q.最低賃金は誰がどのように決めているのですか?
A.最低賃金は、公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成される最低賃金審議会において議論の上、都道府県労働局長が決定しています。 具体的には、中央最低賃金審議会から示される引上げ額の目安を参考にしながら、各都道府県の地方最低賃金審議会での地域の実情を踏まえた審議・答申を得た後、異議申出に関する手続きを経て、都道府県労働局長により決定されます。
(最低賃金に関する特設サイト) http://saiteichingin.info/
重村孔明 拝「世の中は経済学が考えているほどスムーズには動きません。人々が「均衡価格」を知っていれば問題ないのですが、実際には人々は均衡価格を知らないからです。失業が多いということは、労働力の供給が需要より多いということですから、労働者たちが「均衡価格より高い賃金が欲しい」と言って仕事を探し続けている状況です。これを解消するのは容易ではありません。政府が失業者に向かって「均衡価格はもっと低いから、もっと安い賃金の仕事を探しなさい」とアドバイスをすることは可能でしょうが、諦めきれない失業者も多いでしょう」
経済学の完全競争はプライステーカーを仮定します。プライステーカーは現在提示されている価格を与件として行動するということです。誰もが均衡価格を知らないし、知る必要はありません。労働市場は労働者の質などの異質性などがあり、失業には循環的なものと構造的なミスマッチングがあり、それほど簡単ではありません。