ベネズエラ、腐った肉にも買い求める人の列 続く停電と食料危機
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もともと原油産出地でもあり豊かな国なので、一度は近代的なインフラの中で生活が成立していたことが、アフリカでの政治不安の結果より地獄絵図のようになってしまうのかもしれません。また、国際支援も、政治失策国まで面倒みていられませんよね…しかも、大統領は米国に喧嘩売っていますから、八方塞がりとは、この国のことかと。
ベネズエラの食糧危機は私たち日本人にとっても決して無縁の話ではありません。
チャベス前大統領は貧富の格差の拡大を背景に、ボリバル主義なる社会主義体制を作り上げました。
この政策の要は貧困層に安く食糧を供給するという事にありました。
当時原油価格が高止まりしていたことから、チャベス政権は石油で得た外貨によって海外から食糧を買い付け、国民に安く供給したのです。
これによりチャベス政権は、一時圧倒的な貧困層からの支持を得て、独裁体制を築き上げました。
しかし、安い海外産の食糧輸入が急増したことで、国内の農業は壊滅。
しかも間も無く輸入食糧価格が高騰したことで国内供給価格との逆ザヤが広がり、外貨の流出に歯止めがかけられなくなります。
ここで命綱とも言える原油価格が暴落した結果、質の悪いベネズエラ原油は真っ先に買い手を失い、食糧を輸入する為の外貨がなくなってしまったのです。
しかもベネズエラは反米政権だった為アメリカによる制裁を受けており、長らく石油採掘施設や精油所のメンテナンスが行われていなかったため、生産量は漸減。
その一方、中国からの膨大な借款が石油を対価としていた為、原油価格の暴落とは逆に借款返済の為に必要な石油量が激増。
世界一の石油資源がありながら、ガソリンさえ事欠くという状態になったのです。
南米の歴史を語るとき、ポプリスモ(ポピュリズム)は外せないお約束のようなものですが、大衆迎合の余り、国内の農業を軽視したことが、結果的にベネズエラの危機を招く事になったわけです。
食料自給率の低い日本にとってもあながち他人事ではないということです。ベネズエラから米国に移住した友人が「自分が生きている間に母国に帰ることはできないかもしれない」と涙ぐんでいたのを思い出します。失政で国民が飢えることがあるのだと恐ろしくなりました。
NewsPicksでもかつてベネズエラを特集したことがありましたね。
https://newspicks.com/news/1553025/