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面白いし有意義な実験だと思う。石松さんの言う通りそもそも宇宙エレベーターを実現するための強度をもつ素材が存在しないという大きなボトルネックはあるが、テザーの展開(つまり宇宙空間で糸巻きから糸を引っ張り出すこと)は単純そうに思えてなかなか簡単じゃない。軌道力学が複雑に絡んで、地球に対して同じ姿勢で安定させるのが困難なため。その部分を実験すると言うことだろう。

これをもって宇宙エレベーターの実現が近づいたと言うのは早計だが、実現のために無数にある技術的課題の1つを解決すると言うこと。宇宙はいつもそうです。月に行く、火星にいく、小惑星にいく、言うは易いが地味な技術的課題が無数にある。でかいロケットさえあれば行けるもんじゃありません。それをひとつひとつ、こうして地道に解決して行く息の長い作業が、エンジニアリングです。
宇宙エレベーター。構想は好きですよ、夢があって。でもあえてエンジニアとしてシビアな現実に言及しておくと、最終的に到達しなきゃいけない長さは約4万km(静止軌道の先にカウンターウェイトが必要なので)。

ケーブルが自重に耐え切れずちょん切れちゃう課題をどうするか。一番有望なカーボンナノチューブでも、強度が1~2桁足りない上に、繊維長さが8桁も足りない。とにかくまずは材料にブレイクスルーを起こさなければ話にならないんだよね。

まぁ、それを待ちつつ、この稼働実験のように、他の技術実証を進めておくしかないのも事実か。
地球での実現はかなり難しいと思うが、火星や月などではかなり有望と思われ、こういう実験を積み上げることは無駄にはならない。
〈 大林組の構想ではケーブルの総延長は9.6万キロで、総工費はリニア中央新幹線の東京-大阪間(約9兆円)と同程度の10兆円。1キログラムあたりの輸送コストはスペースシャトルの100分の1程度の数万円を見込む〉

総工費がリニア新幹線と同じぐらいというのは、驚きです。ドローン革命や自動運転の話題の陰で、こんな構想が進んでいたとは。イーロン・マスク氏に感想を聞いてみたいです。
いまロケットで人や物を宇宙に運ぶと、1キログラムで100万円。宇宙エレベーターならコストが10分の1以下になるという試算があります。しかし、今のところ切れないケーブルが作れません。カーボンナノチューブの量産技術のブレークスルーか、他の技術革新が必須です。それをクリアして建設するには2兆円…日本製のケーブルで、国際協力で作ってもらいたいものです。実現にはあと30年くらい?