企業経営にダイバーシティが必要な理由とは
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半年ぶり、3回目のPICK ONEに出演してきました。イケメン(サッシャさん)・イケジョ(sugar meさん)に囲まれると、気分が上がります。
本日お話ししたテーマは、「なぜ企業経営にダイバーシティ(多様性)が必要なのか?」というもの。
ダイバーシティに関するよくある誤解は、①女性の社会進出や福利厚生の観点でダイバーシティは大事とか、②CSRや企業のイメージアップの要請だ、というもの。これらは明確に違います。
企業経営でダイバーシティが必要な理由は、「ダイバーシティはビジネスでの勝利をもたらす必要ツール」だからです。ビジネスがグローバル化して破壊的イノベーションが起きる中、多様な視点や経験を持つ人材を結集し新たなアイディアを生み出すことが成長の条件です。つまり、ダイバーシティは成長戦略の一環です。
【ご参考】GSのケース・スタディー
ドットコムバブル期の2001年、ゴールドマン・サックス前CEOのHenry Paulson(後の米国財務長官)の時代に、CEOのトップダウンで「多様性を確保しマイノリティに最大限配慮する全世界的取り組み (Diversity and Inclusion)」が始まりました。ダイバーシティには、人種・肌の色・宗教・年齢・性別・性的趣向(LGBTQ+)・国籍などの観点が含まれます。
この背景には、
①変化する経営環境においても、多角的なインプットのもとで意思決定を行い、持続的にビジネスで勝利するため、
②多様性を重視する企業文化を醸成し、その結果マイノリティなど各セグメントの上位10%人材に選ばれる会社になることができれば、人材獲得戦争(war for talent)で勝ち、世界最強の会社になれるという狙いがあったため、です。
例えば、現CFOのMr. Martin Chavez氏は、ラティーノであり、同性愛者です(註:公開情報です)。経営層のトップマネジメントだけでなく、私の元同僚には、国籍や出自の多様性はもちろんのこと、LGBTの方々も多数含まれ、活躍されています。
このケース・スタディーが教えてくれることは、ダイバーシティを推進した結果、①優秀なタレント(CFOなど)を獲得・維持し経営戦略の遂行に役立っていること、②学生を含む若いマイノリティの方々から選ばれる企業になっているということです。ダイバーシティは成長戦略とのこと。近い遺伝子が濃くなりすぎると生物的に弱くなると言われるのに通じると思っていて、個人的な信条としては、視点が多面的であることは絶対的によいことだと思っています。
なぜなら、様々な物事の「ちょうどいい場所」は、色々な視点から見た真ん中に落ちている場合が多いと思うからです。その視点が多面的になればなるほど「ちょうどいい場所」が見つけやすくなると思いませんか。
加えて最近思うのは、個人の中にもダイバーシティを持つことの豊かさです。いろいろな視点・世界を知っているということ。
そのことによって自分ひとりでも「ちょうどいい場所」に近づきやすくなるし、でもどこまでいってもひとりでは限界があることも実感できて、チームでダイバーシティを形成することの尊さがさらにわかるようになると思ったりします。