スルガ銀“融資”問題 実績が賞与に直結で
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融資実行実績がボーナスに反映されていた点について、金融庁も「利益至上主義」と指摘という報道。
まず、融資が問題となっているシェアハウス事案に限ったものか、一般貸出を含むものか不明なので、正確な評価はできませんが、以下私見を述べます。
①支店の業績評価は、行内の重点強化項目のウエイトが高く設定される傾向があるため、高利回りのシェアハウス事案を組織的に高く評価していた可能性はある。
②審査資料改ざんや甘いキャッシュフロー評価などは言語道断だが、組織としての重点項目にインセンティブを設けることは企業戦略として当然のこと。
③したがって、高い収益を生み出すプロダクトにボーナス査定で高い評価を設定することを以て利益至上主義と断ずるのはどうかと思うが、本事案に関しては、戦略設定上の事業評価が甘すぎたため、これを含めての批判であれば妥当であろう。「融資額が行員のボーナスに直結する制度」、つまり業績連動給は一般的な事。ただ、業績連動給は不正を呼びやすいから、審査なり監査なりの内部のチェック機能を両輪で運用すべきが、そこが機能してなかったという事だと思う。
営業をやった人ならわかるでしょうが、営業マン一人一人が利益至上主義に走るのはある意味当たり前のことです。
そしてあなたの上司もまたそれを求め、叱咤し、その行動を助長するはずです。
又多くの組織は、それを加速するインセンティブとして、実績賞与を取り入れています。
でもここまではそれでいいのです。
問題は、勢い余った営業が、超えてはいけない一線を超えないように、ブレーキをかけることこそが、トップの役割だということです。
組織の末端にいる時、利益を減らし、自身の評価とボーナスを下げるという決断はできませんし、又それを個々人のモラルだけに求めることも組織として間違っています。
利益と社会正義を秤にかけて、利益を減らす、という決断ができるのは、組織のトップにいて、自分でその責任を取ることのできる人たちにしかできないからです。
逆に言えばトップが、あたかも中間管理職のごとくアクセルを踏むばかりで、肝心な時にブレーキを踏む勇気を持たなければ、どんな組織でも利益至上主義に歯止めがかからなくなるということなのです。
東芝やスルガ銀行の事例は特殊なことではありません。
組織のトップになった人たちが、決して忘れてはならない普遍的な教訓を改めて示した出来事だと思います。