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空気が明らかに変わったのは、昨年12月のトランプ大統領による安全保障戦略の発表以降。50数ページのペーパーには、technologyという言葉が20回、digitalが5回使われている。

それまでもテクノロジーに詳しい議員や官僚で議論があったが、以降は組織的な動きに。米国では、HuaweiやZTEに対する牽制が拡大。日本でも政府系の調達ルールについて、秋から議論が本格化すると思われる。

他方で、日本について言えば、秋以降に日中経済協力が深まっていく見通しで、状況は単純ではない。
明日公開予定の【図解】の作成を担当しました。ポイントを絞って分かりやすい内容を心がけて作成しています。

かつてのモノを中心とした貿易摩擦の時代から、テクノロジー中心の貿易摩擦の時代へ。資料やデータを読み、記事を作成していく過程で、国家や政府の役割がますます限定的になっていること、政府と企業・起業家の思惑の違い、そして、米中2強テクノロジー時代を痛切に感じました。お楽しみに。
中国のテクノロジー企業の目覚ましい進化に追い上げを受けて、アメリカでは中国脅威論が高まっており、テクノロジーの覇権をめぐる攻防が激化しています。
AI、スパコン、ビッグデータ、ブロックチェーンなどあらゆる分野においてしのぎをけずる米中ですが、これに加えて重要なのが、ネットのあり方をめぐる議論。
これまで世界はアメリカ型の自由なネットを享受してきましたが、ここにきて中国型の監視・検閲型のネット・ガバナンスがじわじわと一部の国でも導入されつつあるようです。
今後の国際情勢とテクノロジーのあり方を大きく左右するこのテーマを、1週間にわたってお届けします。
過去を振り返ると、80年代に当時のテック最先端だった半導体を中心に、日本が一気に追い上げた。それが1986年の日米半導体協定の締結及び1991年の改訂につながり、日本が特に強かったメモリ領域の弱体化の主要因の一つとなった。
一方で、90年代半ばにPCが一気に普及し、WintelというOS+ロジック半導体の組み合わせが成長、そしてWindows 95の普及と併せてネットが一般化し、ソフト・ネット領域がテック最先端となった。そこを米国企業が席巻した。2000年代半ば以降は、モバイルシフトがあるなかで、NokiaなどからAppleがハードサイドでは覇権を奪い、ソフトサイドではFacebookも登場した。
テクノロジーを巡る米国と他国の戦争・競争という観点では、テクノロジーシフトも意識が必要だと感じている。

米国が日本から奪った段階では日本が先行していたが、現在は米国が中国に先行している状態が多いと思う。ただソフトサイドではAlibabaやTencentを考えてみると、「閉ざされたネット」の世界ではその市場規模含めて中国が驚異的な水準になっている。
その「閉ざされた」世界の拡大と、開けさせようという国家間の戦いでもあるように思う。そして閉ざされていれば、そこを目掛けて国以外に個別の企業は参入をはかる(直近のFacebookやGoogleの中国拠点・サービスの報道しかり)。国の意思とは必ずしも一致しない個別の企業の動きについて、双方の国がどう「対処」するかも含めての戦争のようにも思っている。
安全保障の観点、5Gやブロックチェーンなど新規技術標準の制定、AI時代のデータ獲得競争、成熟化したインターネット産業における米中本国以外の世界シェア争い、人類最大の産業となったIT産業の貿易紛争

これらすべてが相俟って、ニ大スーパーパワー同士の世界覇権を争う冷戦が、ブレグジット、トランプ誕生、中国の大国化と習近平超長期政権の樹立等により、米中テクノロジー冷戦という形で勃発したのが去年あたりからです。
要注目の特集です。
制限されるなかで、中国のネットが発展していくのか。
先日、矢吹晋先生の書かれた『中国の夢 電脳社会主義の可能性』を拝読した。
中国に対する展望が明るすぎた面もあるだろうが、日本、世界がいままであまりにも中国のネット発展を無視してきたことも事実だろう。
矢吹先生の展望している中国電脳社会主義は、いずれ世界の先端に立つとしている。
モバイルによる支払い、日常生活に深く入っていくIT、中国での実験は、場合によって世界の参考になるとも思われる。
民主主義は個人や少数意見を尊重する仕組みのため理想的ではあるが、その反面、決定に至るまでの時間やコストがかかる。中国のような政治体制であれば、個人や少数意見に耳を傾けなくとも決定ができる。テクノロジーの分野でいえば、顔認証の技術や自動運転、さらには原発に至るまで、個人のプライバシーに過度に配慮する必要がないため、どんどん推し進めることができる。あと数十年もすれば、中国の技術や政治体制が世界を制しているかもしれない。
最近ではGeotechnologyなどと言って、技術の地政学的な覇権争いが国際政治の大きなテーマになっています。

とはいえ、今や「テクノロジー」とは「デジタルテクノロジー」とほぼ同義になってしまっていて、技術力と技術力の勝負、昔のような「産業スパイに図面が盗まれる」などという脅威ではないようです。

どちらかと言うと、デジタル技術を担う人材育成競争と、インターネットを巡る自由と国際ルールの争いになっていて、自由なインターネットは今後ますます狭くなりそうです。

そしていずれは本当に戦争の道具として自律兵器が使われる日がやって来た時、人間社会はどう対応するんでしょう。

追記
フォーリンアフェアーズの次号特集は「ワールドワイドウォー(WWW)」ですね。

When China Rules the Web
https://www.foreignaffairs.com/articles/china/2018-08-13/when-china-rules-web
5GやQKDなどのネットワーク網の組み換えに多く喰い込んでいる中国資本に対してエコノミックステートクラフトを行使する米国
そして標準を狙う欧州
面白いですね
> 開かれて自由であるがゆえに不完全ではあるものの、人権や倫理面の是非が議論されながら作られる欧米型のデジタル社会。もう1つが、国家によるバックアップで企業が急成長を遂げる一方で、国家の検閲と監視に利用されるデジタル社会
この連載について
経済だけでなく、テクノロジー面で中国の追い上げに焦るアメリカ。中国がAI、ビッグデータ、電子商取引、顔認証などで国を挙げて世界のトップを目指す国家戦略は新たなネット世界を作り、イノベーションのあり方を一変しつつある。世界の覇権をめぐる米中の攻防を徹底解説。