東京医科大の「差別入試」問題を日本企業は批判できるのか - 重要ニュース解説「今を読む」
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高等教育機関である大学の入試選抜と営利企業の従業員採用を同じように見るのは、それぞれの設立目的や存在意義を無視する危険がある。更には、大学にとって生徒は顧客に相当しているため、従業員(教員、職員)とは立場が違う。もっとも、一般の企業も売り切れによって販売できる顧客とそうでない顧客を早いもの勝ちによって選別しているとも言える。
「医学部の入試は、一般のものとは異なり、「卒業生は大学の付属病院に勤務する前提で入学者が選抜される」ということのようだ。その意味では、入試でありながら就職試験」
事実はそうかもしれないが、医者の採用試験は一応別に行っているのでこれで正当化することはできない。
「東京医科大学に明らかな非があるのだが、コソコソと男女差別をしている企業が多いこととの比較で言えば、大学だけを批判するのはやはり不平等」
東京医大への批判は入試と従業員採用は違い、特に医大は当たり前だが医者を輩出する。そのために政府から特別に許可を受けた機関だけが許され、政府からの多額の助成も受けている。国民はなるべく優秀な医者を輩出して欲しいと願う。にも関わらず手前勝手な理由で入試選抜するのは、一般企業と比較できない(暗黙の)約束破りと受け取られるだろう。
「罪を犯したことのない者だけが、罪人に石を投げていい」
法治国家では罪を犯してないからと言って勝手に刑罰を実行してはならない。また、言論は自由であるから、罪人であっても社会への批判等は妨げられない(ただし、説得力は失うが)。
「女子大、男子大という存在はマズイのではないか」
また逆にハーバード大学などはマイノリティを有利にするように選抜しているという。アメリカの入試は学力試験に偏ったものではないようだが、学力だけ高い受験生を不利にしていると言える。しかし、女子大にしても、そのような選抜ポリシーは公表されており受験生は知っている。つまり、東京医大への批判はこっそりやっていたことがやはり大きいと考える。例えば女子の受験生も、公表されているような偏差値やその他で自分の合格確率を推定して受験する大学を決めるだろうが、実際はその推定よりだいぶ低かったと後で分かったわけである。
大学受験の方が企業への就職活動より、人生においてそう何回もない経験であり、限られた機関にしか許されていない医大がやるのは一般企業より批判されるだろう。目的や実態ではなく、選別の方法の問題。目的や実態は、手段を正当化しないということをまず承認することだ。
「差別的」な選別(加点・減点の内容)も卒業後の処遇もその全てを事前に開示していないことが問題なのだ。
受験生がそれを知っていたなら、異なる選択をしただろうという事実を、大学が事前に明示していなかったことが問題だと思う。
これを、一般的には「詐欺」という。