人間が感じる「味わい」を予測、AIはビールの味を高められるか
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外見から味わいを判断しようというのがとてもおもしろいですね。
確かに成分分析等すれば人間の味覚と直接的に繋がるでしょうが、あえて見た目と味わいという、間に1クッション置いた物を扱うことでAIが生きてくる可能性があります。というのも、一見繋がりが明確でない変数同士の関連を見つけることこそAIの得意分野だからです。
確かに産業的にどの様なメリットを持つかはこの記事でははっきりしませんが、AIの研究、あるいは人間の知覚の研究に対しておもしろい物になる気がします。
注目のコメント
昨年のSXSWでIBMが”COGNITIVE BREWS”というAIを用いたビールのレコメンドをデモしてました。自分の好きな食べ物についていくつか質問に答えた後、AIが好きそうなビールをレコメンドしてくれるというもの。レコメンドされたビールが好きかどうかを回答し、レコメンド精度を上げていきます。ビールが試飲出来るとあって、長蛇の列でした。笑
ビールに限らず、種類の多い日本酒や焼酎などでも出来そうですよね。これ、研究者仲間で是非研究したいよね、と言っていた内容です。研究予算でアルコールが購入できるのか(企業だったら、経費として落ちるのか)。ただ、味はすでに味覚センサがあるのでアンケートに頼るより測定したほうが確実。
国内だと九州大学の研究が有名です。あのビールとこのビールは価格は違うけど味は似ているとか、できるだけ安いコーヒー豆を使って高級感のある味を出すとか、様々な試みをされています。
九州大学 味覚・嗅覚センサ研究開発センター
http://www.rdctos.kyushu-u.ac.jp/
ちょっとだけ関連する話題ですが、東大・矢谷研究室ではIoTデバイスを使ったスマートアイスを開発していて、アルコール濃度の推定がある程度できます。知らないうちにお酒を飲みすぎたり、意図せずアルコール度数の高いお酒を飲んでしまったりするのを防げる可能性があります。
飲料のアルコール濃度計測を行うスマートアイスキューブの試作と評価
http://iis-lab.org/research/icecube/「AIがビールを味わう」というよりは、「多数のヒトの集合が巨大な味センサーとして機能する」と理解した方がよいと思います。
「ヒトでは身体的限界から無理な量の経験データから判断を下す」というAIの特性に言及されています。
"人間の試飲者12人はカメラでモニターされ、身体にはセンサーが取り付けられた"
"人間の場合は一定量を超える試飲は身体的限界があってできないかもしれないが、AIならば限りなくビールの検査を続けることができる"
京大鹿島研のジョーク研究「私たちはお土産にどの八ッ橋を買えばよいのか」(2014年)でも、身体的限界に言及されていました。
http://www.ml.ist.i.kyoto-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2014/10/yatsuhashi.pdf
"実際に八ッ橋を食べるという実験の性質上,オナカとコストに関する制約が調査方法を考える上で重要になることに注意しておかねばならない.つまり,評価者は無限に八ッ橋を食べられるわけではないし,また無限の八ッ橋を購入するお金を準備することもできないということである"
インテリジェントXのアプローチもクラウドソーシング的ですね。
"基本の4種類は黒ビールやエールなどだが、「ブラックAI」とか「アンバーAI」などという名前がついている。これを買った人々がフェイスブックのチャットを利用して、それぞれの味について「もうちょっと苦みを」などとフィードバックを与える"