フランス インド太平洋安保に名乗り 日豪印との連携軸に 中国の覇権に対抗
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フランスが日本との安全保障協力に積極的になった背景には、米国と中国双方の動きがあります。
フランスがインド太平洋地域において日本を安全保障上のパートナーと見做すようになったのは、トランプ大統領のおかげでもあります。
フランスは太平洋地域に領土を有し、太平洋艦隊も有しています。フランスにとって、インド太平洋地域における安全保障環境の変化は領土に対する脅威とも成り得るのです。
この地域において、最も信頼すべきはずであった米国が、国外の事象に関与しない態度をますます明らかにし、フランスは、この地域における新たな安全保障協力枠組みの構築を迫られたと言えます。
もう一つは、中国との経済関係に対する見方に変化が生じたことです。フランスの外交は、外務・国際開発省が担っており、ビジネス寄りになっていると言われますが、フランスでは、中国とのビジネスが思うほどの利益を上げていないことが理解され始め、リスクさえ認識され始めています。
フランスの研究者からは、元々フランス国民は、自由を愛し、自由を認めない中国を生理的に受け入れられないとも聞かされます。金儲けができるのであれば我慢しようと思っていたのが、金もうけにならないと分かり、我慢しなくて良くなったということでしょう。
さらに、中国が、フランスが旧宗主国として影響力を維持するアフリカに進出していることも、フランスの対中警戒感を高めています。
日本も、米国や中国の動きによって生じている国際社会の変化を良く見極め、自らに有利な安全保障枠組み構築を図る必要があります。この中には、日米同盟の再構築も含まれます。
7月14日のフランス革命記念日に実施された軍事パレードに自衛官7名が参加したことは象徴的です。安倍首相が西日本の豪雨災害対応のために欧州歴訪をキャンセルしたことは必要なことでしたが、もし安倍首相が訪仏していれば、軍事パレードの観閲者席には、マクロン大統領の隣に安倍首相が立つ姿がメディア等にも映し出されたでしょう。
反グローバリズムの流れは当分続くと考えられますが、EUの中心にいるフランスとの協力は、日本にとって非常に重要なものになると考えられます。
現在、フランスは日本との安全保障協力に積極的ですが、フランスが日本との協力が必要だと考えている間に、日本も積極的にフランスとの具体的な安全保障協力の項目を提案していく必要があるでしょう。