宇宙の起源に迫るため、物理学者たちは研究所に「宇宙」をつくる
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お、誤解されてる方がいるようですが、「宇宙をつくる」とは実験室の中に黒い球が浮いていてその中に星が輝いていてさらに顕微鏡で見たら惑星の上に生き物が歩いている・・・・なんてことじゃないですよ〜〜〜。
宇宙の始まりに存在した極限的な環境の一部を実験室で模擬することによってその時何が起きたかを理解する実験です。ですから何も知らない人が実験室に入っていっても、「宇宙をつくっている」ようには誰にも見えないでしょう。
僕は専門じゃないためあまり確かなことは言えませんが。宇宙の始まりというのは現代物理学最大の謎の一つ。なぜなら宇宙の歴史をビッグバンまで遡って行くと人類の知る物理法則が破綻する「シンギュラリティー」が現れるから。ブラックホールと同じですね。この領域を理解するには量子論と一般相対論を統合した量子重力理論が必要なのですが、それはまだ未完成。逆に言えば、宇宙の起源の謎に迫れば究極の理論である量子物理論の糸口を掴めるかもなのです。
ちなーみに、きっと「シンギュラリティー」という言葉はAIの文脈でよくきく言葉ですよね。そちらでは曖昧な定義しかない言葉なのに理解の浅いまま多用する人がうじゃうじゃいるのでキーワード以上の意味のないキーワードになってしまっていますが、宇宙物理の方では「シンギュラリティー」は明確に定義された専門用語で、AIよりはるか前から使われています。インフレーションとかブラックホールとか極限的物理が有効なところ(量子論と重力理論が交差するところ)は謎が深く根源的。しかし、意外なところからこういった謎が解けることもあるので囚われないように気をつけたい。ちなみに、この記事の後半で出てくるエイヴィ・ローブ(私の共同研究者)のファーストネームがエイヴィと訳されてしまっているが、アヴィの方が正しい。
今ここの空間自体が宇宙なんだから宇宙を作るとはこれいかに。
いうなら、「宇宙のはじまり」をつくるかな。
しかし、後半で批判されているように、宇宙論で提唱されている仮説の方程式を模倣する現象を起こしているだけで、なんら本質的な証明にはなっていない。
例えるなら、箱庭に水を流し川の形成を模倣したとして、そこで観測された新たな現象があったとしても、実際の川で同じことが観測されなければ、それはモデルの中だけで発生した現象でしかなく、現実についてなにもいうことはできない。
一つの仮説に過ぎないインフレーション理論を実験的に模倣できたとして、それがなんなのだろうか。少なくとも、宇宙物理学ではなさそうだ。宇宙模倣物理学とでも言おうか。
だいたい、"直径1mの巨大な超伝導コイル磁石を扱っていた"とあるが、直径1mなんてそこまで巨大じゃないし。