農と食をつなぐ「フードキュレーター」とは、どんな仕事か
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このイベントは素晴らしいと思うのですが、農業生産側から見ると、農業技術に比例して野菜の味が向上するようなものでもないところが難しいところです。
大方の野菜は産地でブランド化されているように適地適作にまさる農業技術はないのではないかと思います。
トマトは品種、栽培技術などによってけっこう味が変わりますが、他の多くの野菜に関してはむしろ重要なのは鮮度や流通方法だったりします。
なので農業者としては効率的に一定品質以上のものをどれだけ安定的に出荷できるかの技術を向上させるのが基本。平均点をあげる農業です。
絶品の食材を栽培しようと思ったらむしろ家庭菜園レベルの規模の方が追求しやすいのではないかと思います。
もちろんそれも年々の気候やちょっとしたタイミングに左右されるので、人間の技術が食材の味にもたらせる影響力は限定的。
もちろん年々向上するなんてこともありません。
なのでピンポイントで絶品な食材をセレクトする取り組みは面白いけど農業者にとってはたまたま選ばれた感は否めないのではないかなと思います。
かつて日本全国の優秀農家の品ばかりを採算度外視で集めて提供するレストランの仕入れに関わっていて痛感しました。食と農の未来を考える連載2日目は、「フードキュレーター」という新しい職業に迫りました。2泊3日の食材調査に同行させていただいてお話を聞く中で、私たちが思っている以上にシェフの日常は忙しいこと、そして食材と料理どちらにも知見があり信頼できる人が求められているのだというのだということを痛切に感じました。
特に印象的だったのは「食材自体のおいしいさと同じくらい、食材が料理に合うかどうかがわかる人は稀少」だということ。
よく寿司屋はある程度のレベルを超えるとしゃりのかたさや握り方の問題になってくると言われますが、野菜のおいしさは当然のこととして、インパクトのある味があうのか他の素材の味を邪魔しない方がいいのかなど、シェフやメニューによって「おいしさのその先」の基準があり、それを理解して提案できる人はたしかに稀少な人材だと思います。
いいものを作り続けるためには、そのよさを理解して使ってくれる、楽しんでくれる人が必要不可欠です。
こうしたいい作り手(生産者)といい使い手(シェフ)のマッチングは、他の業界にも通じるものがありそうです。