あの「グラミン銀行」が日本を救う日は来るか
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ビジネスモデルをいかに日本に合わせた形に変化出来るかがポイントだと思います。経済や就労の仕組みがバングラデシュと日本ではおそらく大きく異なります。働こうにも就労場所がないところと、人不足で仕事があふれている日本では本質的に別物です。
東南アジアでは、非正規での就労や日本では就労と呼べない仕事でお金を稼ぐ人も多くいます。例えば、ボランティア交通整理を行い、小銭をドライバーからもらう仕事とか。よくわからないおもちゃを持って道路を歩き、ドライバーに売るとか。
東南アジアでは、竹の素材を買って、カゴを作って売ったり、遠くの市場から食べ物を安く買ってきて売るような比較な作業でお金を稼ぐことも可能です。
ただ、日本の場合そういった作業は、すでに産業に組み込まれている事が多く、個人でやるとコスト高+相当なスキルがないとお客様の求める品質に届きません。
逆に仕事やお金になりやすいスキルを持つ人は、貧困に陥る確率も低くなるはずです。スキルの低い人でも人不足なので、職は沢山あり、そこからスキルアップしながら日々の生活費を稼ぐことはできなくはありません。シングルマザーなどの通常の就労体系が困難な方が小規模起業で生活に必要かお金を稼ぐことは、逆にリスクがあるはずです。もちろん、働きながら、プラスで稼ぐための資金を借りることはアリです。
また、五人組の仕組みの機能は、チームワークと逃げないようする監視です。日本で小規模起業の成否を分けるのは、そこではないと思います。
よって、スキルが一般的に低い人に対して、お金の稼ぎ方のアドバイスを出来るかが、日本でのグラミン銀行の成否を大きく左右するはずです。記事にあるような、弁当を作って売る商売だったら、ビジネスモデルを磨き込んで、味のいいものを作らないと本当に失敗します。本稿で書かれている情報を前提に考えた場合、大きく貧困という分野でありながら、「どのようなひと」をまずは求めたいのかを明確にした方がいいと思います。
例えば、起業を考えているひとであれば自ら手を挙げるかもしれませんが、何か中間団体や行政を触媒にしようとしたとき、そこが明確になっていないと呼びかけや人材選定が漠然とします。きっとそのようにされると思いますが。
起業という言葉も、いくつかの事例を示すことでグラミン銀行が融資を考える起業の幅を見せた方がいいと思います。株式会社を作ること、個人事業主、副業/複業などイメージに幅があるため、そこが明確になると自分のこととしてチャレンジしやすくなります。
互助が存在している場からチームを組むのではなく、これまで孤立していたひとたちがチームを組んで起業に向かうということであれば、チーム組成までに結構な時間を要するので、その間の生活費などの補助がないとやりたくてもできない可能性があります。当面の生活費に困っていない方をターゲットにしたり、厳しい家庭のもとにある10代や20代に声をかける方法も考えられます。
厚労省と提携をして職業訓練受講給付金のあるコースで準備的な訓練を行い、就職を目指すことに加え、起業もひとつの受講後の進路にするという枠組みも考えらるように思いました。バングラでグラミンが始まった時、もともとは農業資材の購入がメインだったので、日本でも先ずは物資購入のフィールドから使う人が出てきそう。教育はやはり投資対効果の時間を要するので、その辺りどう担保して資金提供していくのか気になります。ユヌスさん自身の思いがとても強いので、楽しみ。