死刑について - 内田樹
コメント
注目のコメント
形而上学的にあれこれ考えるよりも、自分事として考えるときっとわかりやすいです。
【1】ある日突然、自分が冤罪で逮捕される
↓
【2】自分に対して死刑判決
↓
【3】自分に対して死刑執行
死刑が執行される瞬間、自分はどう感じるか? その時の気持を思い浮かべると良いかもしれません。
「まさかそんな仮定の話はありえない」とは言えなさそうです。
1992年の飯塚事件という例があるので…。>死刑の存否について、「どちらか」に与して、断定的に語る人を私はどうしても信用することができない。
死刑は人類の歴史が始まってからずっと人間に取り憑いている「難問」だからである。
世の中には、答えを出して「一件落着」するよりも、「これは答えることの難しい問いである」とアンダーラインを引いて、ペンディングにしておくことの方が人間社会にとって益することの多いことがある。同意してくれる人が少ないが、「答えを求めていつまでも居心地の悪い思いをしている」方が、「答えを得てすっきりする」よりも、知性的にも、感情的にも生産的であるような問いが存在するのである。