ホンダ アシモの開発をとりやめ 研究開発チームも解散
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ホンダの技術力が及ばなかったように受け取れるニュースでとても残念です。ただ、そこには現代の技術革新の本質的な問題があるようにも思えます。四半期ごとの管理会計に縛られ、株主や市場の圧力を常に受け、多数の従業員の労務管理を求められる大企業には、とんがった開発はできない時代なのかも知れません。あり余るマネーを手にした投資家があふれ、ICOなど新しい資金調達の道が開かれた今、赤字なんかへっちゃら、働き方改革などどこ吹く風のベンチャー企業に優秀な人材が集まり、ゲームチェンジを実現していく。テスラをはじめとする自動車ベンチャーがトヨタを脅かし、宇宙ベンチャーが国家を凌駕する時代です。
それにしてもソフトバンクが買収したベンチャーのロボットはすごい。バク転を楽々と決めています。アシモはまだまだヨチヨチ歩きの子どもなのに、ライバルは体操選手のレベルです。申し訳ないけれど、アシモは「日本のロボット」の問題点の一つの象徴だと思います。技術はすごいけれど、何の課題を解決するのかわからない、適切なコストでできない、だからビジネスにならない。
適切なコストで課題を解決するためには、多くの場合、「仕事のやり方/プロセス」全体を組み替え直して、ロボットができることを単純化して集め、そこだけひたすらロボットにやらせるという考え方が必要と思っています。
この前にピックした、iRobotとちょうど対極にある感じです。感情的にはとても残念に思う。
一方で、どうやって商用化をしていくかが見えず、役割を終えたという判断なのだろう。
ホンダジェットもアシモも、極めて長い間研究をしていたもの。そしてホンダジェットは今まさに形になりつつある。そのなかでアシモは逆に商売にまでは至らなかった。
始めた時点ではどうなるのか分からないものを手掛けられたことに、ただただ敬意を表したい。クルマだけでないワクワクするものを、ホンダからは是非また見たい!
<追記>ちなみに、二足歩行については「次の次」だと自分は思っている。汎用二足型は、理想論としては人間の代わりにそのままなれる。色々な仕組みを「ロボット用」に変えなくていい。ただ、認識や動作などがまだまったく追いついていないし、社会としても受け入れる準備ができていない。逆に用途別のロボットが普及して、データもたまって認識が向上していく中では、専用機→汎用機というのは色々な業界で起こってきた流れ。
タッチパネルによる携帯も昔からあった。だけど、感度だったり全体のUX設計が初めて統合されたのがiPhoneだった。それと一緒。<追記終>