北朝鮮は本当に「非核化」できるのか？ 日本が直面する重い課題

コメント

注目のコメント

• 神保 謙

  慶應義塾大学 教授

  ・2018年07月04日

  全般的によく整理されている論考で参考になる。２つだけコメントしたい。ひとつは「米国は非核化交渉を長期化させ、北朝鮮国内の政治状況に混乱をもたらし、金正恩政権の政治基盤を動揺させるだろう」とあるが、時間を稼ぎたいのは北朝鮮側で、米国側は短期解決をしたいのではないだろうか。
  
  ふたつめは「米国は合意履行の『ファースト・ムーバー』になることで、交渉当事者としての誠意を示したことにもなる」と論じている箇所も、米朝では認識の差があると思う。実際に、７月１日の実務協議で北朝鮮交渉者は「我々は既に様々な措置を取った。今度は米国の番だ」（朝日新聞、７月４日付）と述べたという。互いがファーストムーバーだと考えているということだ。