ラーメンの経営学 利益率1割超は6% 経営者や店の「若さ」が目立つ
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注目のコメント
実家がラーメン屋の西村です。
ちょこちょこ気になる点をば。
まず、個人経営の場合、企業と同等の決算書を作ってないので、利益がいくらか誰にも分かりません。あるのは、オーナーの給与が反映されてない、所得税計算用の損益計算書。
そして、零細企業の決算書はオーナーがいくら給与として抜くかによって利益が大きく変動するので、利益率の分析はあまり意味がないです。
売上が1億、オーナーの給与3,000万円で利益が10万円だったら、利益率0.1%。こんな数字に意味はないです。
そして、ラーメン屋って個人経営や零細企業が大半なので、分析がとてもむつかしい。
それを踏まえた上で。
> ラーメン店は売上高は上がりやすい反面、市場競争が激しいなどのため利益を確保しにくい傾向
うどんそば屋より利益率が低いのは、おそらく原材料費率の違いでしょう。
ラーメン屋はスープや具をいくらでも凝ることが出来るので、これにハマり過ぎると原材料費が跳ね上がります。
原材料費率は3割超えないと美味しくならないとかよく分からない意見がまことしやかに広がっているのも、遠因な気がします。
>利益率を比べると、女性の経営者のほうが高い傾向がある。
これは女性顧客を上手く獲得でき、そのニーズを理解できているかが大きそうな気がします。
ラーメン屋が流行るかどうかのキーポイントの1つに女性顧客の開拓がありますからね。
女性は男性と同じくラーメン大好きな人が多いですが、その店に行きたくないと判断するNGポイントが多かったりするんですよね。
特に大事なのが「清潔感」です。これ女性視点がないと気配りがむつかしい。超面白く、是非読んでいただきたい。
規模が必ずしも利益につながらない典型例だし、そば・うどんとの比較も面白い。
規模の経済含めた、経営の本質について考えてみたい。
色々なところで「規模の経済」という言葉が躍る。でも現実には、規模の経済がでるケースは少ない。
規模の経済は、規模が増えても、ほとんどコストが増えないことが本質。
どういう場合にコストが増えないか?規模が増えても設備や、管理コストが増えないケース。いわゆる投資の固定費の比率が高い業態が大きく、固定費の大きさ自体が参入障壁となっている。稼働率が最重要指標であることが多い。
稼働率が上がるほど、固定費(正確には共有コストという「ある市場で共有可能な費用」で、変動費も含めた概念)が薄められる。
逆に、規模が増えて価格交渉力があがるのは、規模の経済の本質ではない。
価格交渉力が上がっても、同じようなものを大量に作って、稀少性が下がり飽きが来る・特徴がなくなる商材は、トレードオフが発生する。あとは色々なパターンにシステム・プロセスの対応が求められると、複雑になりすぎて非効率になることもある。
飲食・小売業はそれの典型で、規模に伴って利益「率」が必ず上がる構造では全くない(うまくいっている企業は、規模を伴って利益の「実額」が上がることは多いが、利益「率」は規模要因は少ない)。
ここらへんについて学びたい方は、「IGPI流」がオススメ。元はBCGのアドバンテッジマトリクスの考え方。
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2000年前後に自動車業界で400万台クラブという言葉が流行ったが、「神話」だったと思う。
自動車は固定費・投資額は巨額ではある。ただ、世界的には分散した業界で、トップ企業でも世界シェアは10%前後。
高級車の事例は言うまでもなく、価格帯も色々。なので、規模を増やすことより「ちゃんと顧客に価格・特徴を訴求できるものをどれだけ届けられるか」が最重要な業界。一応、各国くらいの商圏で共有コストは発生するので、地域別のシェアは効く。ただグローバルシェア・台数は無意味だと思う。
規模の経済では、業態と、シェア・規模が効く範囲がどこなのかをしっかり見定め、そこで経済性を整えることが重要。