買収防衛策、廃止相次ぐ
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ほお!と思わず感心してしまうほどバラエティに富んだ買収防衛策ですが、冷静に見ると、どれもこれも経営陣の身を守る効果なんてまったくないことがわかります。
買収を仕掛ける側、守る経営陣が感情的にエキサイトした頭をいったん冷やす時間的な猶予を与える効果がせいぜい。
月並みな表現ですが、経営陣の意に沿わない買収から身を守るにはコツコツと企業価値を上げていくしかありません。究極の「買収防衛策」は株式に譲渡制限をつけること、つまり会社法上の非公開会社にすること。より決定的なのは、株式会社をやめ、組合や合同会社にすること。
上場するということは、自由に株式が売買されることを受け入れること。好ましい相手にだけ買ってもらえるようにしたいと思う方が身勝手。「買収防衛策」に賛成する株主は、自分の首をしめる、合理的経済人ではないお馬鹿な人達。なぜなら、自分の買った株式も経営者が賛成する者以外には、自由に売れなくなることを認めるから。
「買収防衛策」は、戦前の20世紀中ば(つまり、現代の株式会社ができてからすぐ)には存在した。複数議決権(第一次大戦後、外資参入を怖れたドイツでは議決権比率に十万倍以上も差のある極端な種類株があったそうだ)や持ち合いがそれ。
近頃の流行りは、Amazonのような創業者グループの持つ株式と、一般人に売り出す株式を分ける方式。財団に株式を持たせる方式も密かな流行。
アメリカのSECはこの方式について反対せず、投資者責任と開示の問題にしている。だから、投資者はブロスベクタスや開示資料を熟読しないと、たいした権利もない、ボロ株を掴まされることになる。
いろいろ批判されるが、それでも「買収防衛策」はなくならない。買ってもらえる位の会社にするという覚悟のない、自己保身や安定を好む経営者は無くならないから。6〜7年くらい前に相次いだ買収防衛策廃止の動きと、今では環境がかなり変わりましたね。
当時は、その判断をした経営陣と会社を評価するという感じでしたが、今は、もう当たり前だろうという捉え方かと思います。買収防衛策を廃止しても、買収対象にも考えて貰えない会社も多数あるかと思います。