富士フイルムと再び協調路線に ゼロックス、仮処分に上訴
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注目のコメント
起こっていることを整理したい。
裁判所が4月末に差し止め命令を出したのは、多分2月13日のディーソン氏が提起した訴訟(①の差し止め仮処分時にコメントした点)。
その後、Xeroxは投資家と5月1日に和解案で合意(②)。あくまで和解案であって、そこには投資家による訴訟取り下げも含んでいて、これが期限までに取り下げられず和解案は昨日破棄となった(③)。
差し止め命令の根拠は、一時は退任合意したジェイコブソンCEOが自身の保身のために合併を進めたというもの。退任・再交渉の方針であれば、根拠部分が薄れる。しかし和解案が破棄された現在は元の交渉方針に戻っていく(そもそも株価も下落している)。そのなかでは異議申し立てをするのもプロセスとして進めるために必要・必然のように思う。
Xeroxの発表原文は④。
①https://newspicks.com/news/2991664
②https://newspicks.com/news/2998531
③https://newspicks.com/news/3002594
④https://xerox.bz/2KEDnxB事態は目まぐるしく展開しているがことの本線は変わらない。
1 米国のゼロックスはこのままの資本構成でいくのか、それとも他社の買収提案を受け入れるのか。すでに成熟した複写機事業の今後を考えると後者のほうが望ましい。
2 だとしたらどこに買収されるのがベストか。明らかに、富士ゼロックスの事業と技術を持つ富士フイルムがベリーベスト。富士の他にゼロックスに強いコミットメントをもち、オペレーションをグローバルなスケールで再構築できる会社があるとは思えない。
ようするに、ゴネ得を狙うアイカーン氏サイドの条件闘争。古色蒼然たるアクティビストのアイカーン氏はこういうことをずっとやってきたわけで、いつものルーティンが作動していると考える。
おそらく上記1と2の考えでことを進めてきたCEOのジェイコブスン氏がまことに気の毒だが、資本主義下の上場企業の経営というのはそういうものなので仕方なし。