【独白】仮想通貨を「無料」でバラ撒く、男たちの野望
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2000年初頭、柄谷行人らが中心になったNAM。その運動の中心には地域通貨がありました。その非中央集権的なコンセプトは現代の仮想通貨に通ずる部分もあります。
柄谷らは、蓄財に否定的で対資本主義的な意味で地域通貨に可能性を見出していましたが、現在の仮想通貨の普及は皮肉にも「憶り人」に代表される山っ気ドリブンで達成されました。
オタクコインは仮想通貨の中でも、「山っ気」が少ないようですが、かつてのNAMがそうであったように、利害ではなく理念だけで繋がっている組織は、それゆえに瓦解も早いという弱点もあります。この辺りのバランスをどうとるのか。色々興味はつきません。ユニークな仮想通貨が生まれます。オタク業界では超有名なスタートアップのトーキョー・オタク・モードが、オタクのために、オタクライフを満喫するために設計した「オタクコイン」がそれです。その仕掛人が、NewsPicksに全貌を語ってくれました。
このオタクコインは2018年夏以降に、多くの人に無料で配布されることで、スタートします。オタクコインの所有者は、さまざまなオタクコンテンツに加わることができる、オタクの国の「住民票」みたいな設計がなされています。いずれは取引所で売買されて、価格もつくでしょう。
興味深いのは、オタクコインはICO(トークンセール)を一切行わないこと。つまり世の中を騒がせてきた、仮想通貨を売り出して、多額の資金調達をするという「カネ集め」をしないと名言していることです。今後、ICOをしない形で、仮想通貨をつくるような企業のモデルにもなりそうです。非常に面白い取材でした。いきなり出てきた思いつき先行のスタートアップにしては緻密な設計だと思ったら、しっかりした積み重ねがある方たちでした。
小高CEOはメリルリンチ→ガイアックス(セントレックス上場)CFO兼海外担当という経歴。
Tokyo Otaku Mode自体は、2012年に米国で創業して米500startupsプログラムのOB。ちなみにCool Japan Fundの第1号投資案件で、アリババ経由の出店で中国市場にも参入済みとのこと。