三井住友建設、腐食しない世界初の橋梁で載荷試験 四半世紀経過も性能維持
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お、すごい!実橋試験だ!!
※実橋試験とは…実際に使用されていた橋を撤去するついでに、試験室まで持っていって載荷試験を行って壊すこと。
供用中の点検や観察では非破壊の試験が基本なので、設計通りの耐荷力を持っているかチェックするのには最高の手段です。(もちろん、大変だけど)
コンクリートは補強材として鉄筋が入っていますが、これをあらかじめ引っ張っておくとコンクリートに圧縮の力が伝わり、コンクリートの弱点である引張抵抗力を向上することができます。
これを「プレストレストコンクリート」と呼びますが、鉄筋の代わりに樹脂のアラミドを棒状に加工したロッドを使用したものです。
最大の長所はやはり耐久性で、錆びの心配がなければそれだけ寿命も保証でます。強度にも優れ、軽量かつ非磁性も魅力ですね。
鉄筋よりもヤング係数が低く伸びやすいので、プレストレスも導入しやすい材料です。
曲げ加工による強度低下が起きることと、コーティングの樹脂が熱に弱い場合があったりしますが、価格の問題をクリアすればアラミドロッドは非常に魅力的な材料だと思います。
ちなみにアラミド自体はロッドよりも繊維の形状でコンクリート内に分散させて補強する使い方の方が一般的です。
だいたいコンクリート体積の1,2%ほど混ぜればひび割れ抵抗性能が格段に上がります。
25年も使っているとコンクリートや鉄筋が劣化することはもちろんですが、プレストレストコンクリートでは施工時に引っ張った力が抜けてしまったり滑ってしまったりして力のロスが生じることがあります。
本記事では設計通りの耐荷力を有していたとのことなので大丈夫だったようですね。
さすがはPC橋梁をお家芸とする三井住友建設といったところです。素晴らしい!