触媒が解決する、再生可能エネルギーの根本的な課題
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注目のコメント
実は、昨日の回で関根先生が『重要なのは「電気」と「水素」』とおっしゃっているのに、違和感がありました。
僕には、『明日の朝食は「パン(=電気)」と「小麦(=水素)」ね』と言っているように聞こえたからです。
ただ、この違和感の原因をちゃんと考えてみると、関根先生と、僕には見えている景色が違う、という可能性に思い至りました。
要は、関根先生にとっては小麦をパンに変える労力がものすごく小さく見えているのでは、ということです。
触媒というのは、まさに、その労力をものすごく小さくするものだから。
関根先生は、ホームベーカリーを作ろうとしている研究者なんですね。
しかも関根先生は、セットで、「パンから小麦を作る」研究もされているようです。
(パンの例えに無理があって意味不明な表現になりつつある・・・)
ただ、そこは知のフロンティアで入山先生が取り上げるだけのことはあって、一朝一夕には行かない。
大事なステップは4つで、関根先生は多分最初の3つを手がけていて、
それぞれを効率化する「触媒」の開発をされている。
①最初に電気エネルギーから水素を取り出す。普通は水の電気分解で水素を作りますがそれじゃあ満足できないみたいです。メタンの話は、入り組んでいますが、ここに絡めて使う。
②水素を、「エネルギーキャリア」に変える(一般にはトルエンと水素を反応させてメチルシクロヘキサン(MCH)にする)
③「エネルギーキャリア」を水素に戻す(MCHをトルエンと水素に戻す)
④水素を好きな場所、好きなタイミングで電気に変える(ここは、昨日の記事中には水素タービンって書かれているので、普通に燃やすんだと思います。家庭の台所で云々というのは、ここを燃料電池にしちゃう話)
で、「エネルギーキャリア」が重要になってくる理由が、前回よりも詳しく書かれていると。
「システムまるごと」研究対象にされているようで、すごいです。
ちなみに、僕がこの連載から連想したのは、
日本触媒さんというより千代田化工建設さんで、エネルギーキャリアのことが(化学屋的には)わかりやすく図解されています。
https://www.chiyodacorp.com/jp/service/spera-hydrogen/innovations/入山章栄です。「知のフロンティア」連載第5弾は、触媒化学のスター研究者、早稲田大学の関根先生に、触媒研究の最前線の話をうかがっています。
それにしても、takao kiyotakaさんを始め、みなさんのコメントが参考になりますね!コメントと本文が一体となって、充実した内容になっていると思います。
この連載でどの研究分野を題材にするかは、主に私とNP編集部の野村さんで決めているのですが、正直、「触媒」のような重要だけど普段メディアで陽の当たらない分野を取材して、どのくらいの反応があるのかと思っていました。しかし結果として、昨日の初回も今回も、たいへんポジティブで有益&建設的なコメントが寄せられているので、取材して本当によかったと思っています。みなさんに感謝です。
加えて言えば、このような題材を選んでも余裕でOKしてくれるNewsPicksはやはり素晴らしいメディアですね。非常に面白い。
"一方、我々の研究グループでは触媒に電圧をかけることで反応が促進されることを突き止めました。電位の影響を利用することで、高温にしなくても触媒の反応を制御できるのです。"
この時に、当然、発生させる電圧が大きければインパクトは小さいと思うのですが、どのくらいなのかというのが気になりました。
下記が詳しいですが、"弱い電場"とのこと。
新しい触媒反応メカニズムを立証し、約150度の低温度下で水素生成に成功
https://www.waseda.jp/top/news/46989
こちらが論文。
https://www.nature.com/articles/srep38007